日本ペンクラブ声明 「改めて通信傍受法の改正に反対し廃案を求める」

 私たちは1年前、審議中の通信傍受法案改正に反対し、廃案を求めた。法案は衆議院の審議において一部修正されたものの、日本国憲法が保障する言論・表現・出版の自由と通信の秘密を侵害する恐れのある点につき、何ら変更はない。
  法案の内容は、傍受対象の犯罪に、窃盗、詐欺、傷害や児童ポルノ規制などが含まれ、通信傍受の制限的な運用となっていた通信事業者の立ち会いもデータの暗号化によって省略できることとされている。例外的な状況に限定されていた制度の運用が、事実上ほぼ無制約に拡大するおそれがあるといえる。こうした危険性は、先ほど来日した国連特別報告書デビット・ケイ氏からも指摘されたところである。  
 私たちは、今回の通信傍受法の改正が、公権力による盗聴社会を招き寄せると考える。これは民主主義と基本的人権の尊重を謳う憲法から逸脱するものであって決して許されない。  

2016年5月16日      
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明「北朝鮮の核実験に抗議する」

 北朝鮮は2016年1月6日、同国内で4回目となる核実験を行ったと公表した。
 その無謀な行為と傲岸不遜な態度に、私たちは慄然とする。
 私たちは愚かな戦争の果てに2度の被爆を体験し、核兵器の非人間性を目の当たりにした。その後も度重なった原発事故により、人間が人間の尺度を超えた核エネルギーをもつことの深刻な危険性を思い知らされてきた。
 私たちはいかなる国や政府であれ、こうした破壊的兵器の開発と実験を行うことに反対してきたし、これからもその姿勢は変わらない。核の時代は一日も早く終わらせなければならない。
 私たちは今回の北朝鮮の核実験に強く抗議するとともに、世界のすべての人々が平和と協調の精神に基づき、地域の安定と非核武装の実現に向けて行動するよう呼びかける。


 2016年1月7日
 一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明 「安保関連法の審議やり直しを求める」

 安保関連法が今朝未明、参院で強行採決され、成立した。
 安倍政権と与党による蛮行、愚行と言うべきである。
 日本国憲法が戦争を放棄し、集団的自衛権の行使を禁じていることは自明であるにもかかわらず、政府与党は、
 立憲主義を破り、
 民主主義を、おざなりな多数決に堕落させ、
 戦後の日本社会が培ってきた平和主義と、世界中の人々からの信頼を壊し、
 米国政府の言いなりに、自衛隊を世界各地の戦場に赴かせ、
 各国の友人たちを裏切り、憎しみと敵意を増やそうとしている。
 この間、私たち日本ペンクラブは、繰り返し慎重な国会審議を求め、
 野党議員は多くの質問を行ない、
 国会周辺と各地の中心街では、幾万余の市民と若者たちが反対の声を上げ、
 すべての世論調査で、圧倒的多数の有権者が反対の意を表わした。
 これらに耳を傾けない政府与党の対応は、傲岸不遜と頑迷固陋そのものである。
 私たちは、内容的にも手続き的にも、あまりに瑕疵の多い安保関連法に納得しない。
 私たちは、政府与党に対し、もう一度最初から審議し直すことを求める。

2015年9月19日
  一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎




日本ペンクラブ声明「安保法制審議に民主主義の良心を示せ」

 本当にこのまま法案を通してしまってよいのか。
 国会でも、ネット上でも、新聞やテレビでも、議論はすれ違っている。違憲の指摘にも確たる回答はなく、問題の解決も深い理解も進んでいない。
 国会はさまざまの意見に耳を傾け、未来の国のかたちを作りあげるうえで、より多くの民意を反映させる責務がある。
 議員一人ひとりが、それを報ずるジャーナリストの一人ひとりが、もう一度自らの胸に手を当て、いま、誠実さを発揮することを強く願う。
 民主主義社会が目の前で壊れていくのを、私たち日本ペンクラブは、決して見過ごすことができない。

                           2015年9月15日
                            一般社団法人日本ペンクラブ
                                 会長 浅田 次郎

日本ペンクラブ声明「中国における人権状況の悪化を憂慮する」

 現在、中国において多数の人権活動家ならびに弁護士の拘束・尋問が行われ、宗教施設、少数民族に対する文化的圧力、高等教育機関での思想統制、サイバー検閲が強化されている。このような多方面にわたる人権の抑圧は、ここ数年でも、例がない。日本ペンクラブは中国の人権状況を深く憂慮するものである。
 日本ペンクラブは、獄中にある劉暁波氏、イルハム・トフティ氏の釈放を求める声明を既に出しているが、両氏、ならびに、新たに投獄された女性作家、高瑜氏をはじめとする、表現の自由の故をもって獄中にある、全ての作家、ジャーナリスト、弁護士、人権活動家の即時釈放を求める。同時に、中国政府が、法治国家として、その憲法に保障する人権を遵守し、寛容で自由な言論を保障するよう強く希望する。
 
 2015年7月31日
 一般社団法人日本ペンクラブ
 会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明 「本日の衆議院本会議での強行採決に抗議する」

 日本ペンクラブは、本日、衆議院本会議で強行採決された、安全保障法案に強く抗議し、全ての廃案を求める。
 集団的自衛権の行使が日本国憲法に違反することは自明である。私たちは、戦争にあくまでも反対する。
 
 2015年7月16日
 一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明 「本日の衆議院特別委員会での強行採決に抗議する」

  日本ペンクラブは、本日、衆議院特別委員会で強行採決された、安全保障法案に強く抗議し、全ての廃案を求める。
 集団的自衛権の行使が日本国憲法に違反することは自明である。私たちは、戦争にあくまでも反対する。
 
 2015年7月15日
  一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明「通信傍受法の改正に反対し廃案を求める」

 いま国会では刑事訴訟法等改正案の一環として、通信傍受法の改正が審議されている。集団的自衛権や安全保障法制の議論にまぎれてほとんど報道されないが、ここにもまた民主主義の根幹を揺るがす大きな問題がある。
 そもそも通信傍受法は「盗聴法」とも呼ばれ、法律制定の1999年当時から、日本国憲法が保障する言論・表現・出版の自由と通信の秘密を侵害する恐れのあることが指摘されてきた。その懸念を払拭するため、公権力が通信を傍受できる対象者を「薬物」「組織的殺人」「密航」「銃器」に関係する者ときびしく限定し、またその場合でも、裁判所の許可と民間通信事業者の立ち会いを求めてきた。
 ところが今回の改正案では、そこにさり気なく「児童ポルノ」が加えられ、公権力がその「製造・所持・運搬・提供・陳列」などを疑う人物の通信も傍受できる、としている。これは公権力に疑われただけで、あるいはそれを口実にして、制作者はむろん、出版社や流通業者、書店や図書館などの関係者も、さらには一般の市民も通信傍受の対象にされる、ということに他ならない。しかも民間通信事業者の立ち会いもなくす、としている。
 児童ポルノについては、以前から定義の曖昧さや、児童ポルノ規制に名を借りた言論・表現・出版の自由の侵害につながるといった懸念が各方面から表明されてきた。
 私たちは、今回の通信傍受法の改正が、公権力による盗聴社会を招き寄せると考える。これは民主主義と基本的人権の尊重を謳う憲法から逸脱するものである。
 しかし、これだけ大きな問題を抱える改正案でありながら、国会の場で充分な議論がなされているとは思えない。
 私たちはこの改正案に反対する。同時に、一刻も早く廃案にするよう求める。

2015年6月19日          
    
 一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎

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