私たち日本ペンクラブは、児童ポルノ禁止法改正を名目とした言論表現規制に反対します。
 政府は今回の改正に伴い、広範に漫画やアニメ全般を取り締まりの対象とする方針ですが、それは本来守られるべき表現の自由を著しく侵害し、ひいては表現行為やその内容の多様性を失わせるものであります。また、「単純所持」の禁止、販売や流通の関係者にまで及ぶ罰則規定とその厳罰化等は、近年の社会に不穏な影を落としている報道・出版への圧迫を尚一層加速させるものとして、表現活動に携わる私たちに強い危機感を抱かせます。 
 従来のルールを逸脱した表現物から子どもたちを守ることは、現行法制度によって可能であり、出版業界も自主規制のための取り組みを続けています。肝心の規制基準が曖昧なまま規制対象を一挙に拡大する今回の法改正によって、親が子どもの入浴写真を成長の記録として所持することすらも法に触れかねない社会へと転ずることが、果たして子どもたちに良い影響をもたらすのでしょうか。
 自由に開かれているべき子どもたちの未来が言論表現規制によって不条理に抑圧されることがないよう、国会での冷静な議論と、見識ある結論を望みます。

                                2014年3月17日
                         一般社団法人日本ペンクラブ
                         会長           浅田次郎
                         言論表現委員長   山田健太
                         「子どもの本」委員長 森絵都  

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