日本ペンクラブ声明

米国の臨界前核実験に抗議する

 

 アメリカ政府エネルギー省核安全保障局は12月6日、臨界前核実験をネバダ

州の核実験場で行ったと発表した。これは昨年2月以来、27回目の実験だとい

う。核爆発を伴わないとはいえ、これらの実験が核戦争を前提とし、より破壊

力と殺傷力の高い核兵器の開発を企図したものであることは明らかである。

 人類は米国による広島、長崎への原爆投下がもたらした巨大な惨禍を経て、

核兵器の非人道性を知ったのではなかったか。オバマ大統領自身、就任直後の

2009年4月にプラハで行った演説において、「核なき世界をめざす」と謳い

上げたはずである。さらに私たちは、昨年3月の東日本大震災と福島第一原発

で相次いだ深刻な事故を通じて、核エネルギーの危険性と制御不能性をあらた

めて思い知らされたばかりである。

 先のプラハ演説の格調の高さゆえにノーベル平和賞を受賞し、アメリカ合衆

国の国民に信託され再選された直後のオバマ大統領が今回の臨界前核実験を認

めたことに対し、私たちは深い失望と強い怒りを感じている。これは原爆であ

れ、原発であれ、人間が核エネルギー幻想に埋没していく道であり、全ての生

命の存続を脅かすものである。

 日本ペンクラブは今回の実験に抗議し、以後、このような実験を行わないよ

う、アメリカ合衆国政府に強く求める。

 

                                   2012年12月8日 

 

                                     社団法人日本ペンクラブ       

                                   会長        浅田次郎 

                             平和委員会委員長 高橋千劔破

                              環境委員会委員長 中村敦夫 

 

 

 

 

 

 

"2012"の一覧へ