2008〜2009

「横浜事件」再審裁判において表現の自由の回復を求める声明

 昨年10月31日、いわゆる「横浜事件」の再審請求が認められ、その再審公判が明日17日に予定されている。日本ペンクラブは、これを機に司法が自らの 過去の誤りを認め、それに則った判決を下すことを強く求める。裁判員制度が始まろうとするいま、司法が憲法で保障される表現の自由を守る力を示すととも に、市民社会に対し裁判所の公正さを具現し、その役割を示す絶好の機会であると考える。

 これまでの3度にわたる再審請求がなされているが、先の第3次請求の再審裁判において最高裁は「免訴」判決によって、敗戦直後に出された有罪判決は取り消さ れることなく、罪なき罪を着せられた編集者の無念は晴らされぬままの状態が続いている。あらためて言うまでもなく、横浜事件は戦争下の日本で起こった近現 代史上最大とも言われる言論・思想弾圧事件である。事実上最後ともいえる今回の再審裁判で、その歴史的決着を必ずや司法自らが着けることを願うものであ る。少なくとも、再審決定の理由の中で示されたように、事件が特高と検察による捏造であったことと、こうした虚構を追認した当時の裁判所の責任が明確に示 されることを、日本ペンクラブは強く求める。


2009年2月16日
 
社団法人日本ペンクラブ 
会長 阿刀田高