●ガザ地域における安全と平和を求める声明
私たち、日本ペンクラブは、昨年末以来、イスラエル政府が行なってきたガザ・パレスチナ自治区に対する非人道的な軍事行動に対し、深く憂慮し、一刻も早く中止するよう願ってきた。この一両日、イスラエル政府はその軍事行動を停止する旨を公表しているが、いまだイスラエル軍はガザ地域を占領中であり、同地区の安全と平和にはほど遠い情勢がつづいている。
伝えられるところによれば、イスラエル軍はここ数週間、白リン弾など非人道的な武器を一般市街地に向けて使用してきた。こうした無差別攻撃による死者はすでに1300名を超え、その多くが女性や子供などの一般市民である。また、住民の救援に当たる国際機関や、悲惨な現状を伝える報道機関およびジャーナリストにも多大な被害が広がっている。
ガザは、長年にわたってイスラエルによる占領を受け、2005年のイスラエル軍の撤退以降も経済封鎖がつづき、住民や物資の移動が極端に制限されてきた。そのような状況下で行われている今回の軍事行動は、現段階の占領状態も含め、すでに疲弊したガザ社会の生活基盤を根幹から破壊し、住民の生存権を奪う行為である。
私たちは、私たち自身が犯した間違いの歴史から、こうした抑圧と暴力が、それらにさらされた人々の生活と人生を破壊するだけでなく、攻撃する側に属す人間たちの精神をも破壊することを学んできた。いまイスラエルがガザに対して行っていることは、そのことを思い起こさせる。
私たち、日本ペンクラブは、私たち自身の歴史を踏まえ、イスラエルとパレスチナのペン・センターの仲間たちにも訴えたい。
互いが等しく尊厳ある人間であることに思いを致し、それぞれに言葉を発し、それぞれに耳を傾けること。そうした言葉の力を回復し、イスラエルとパレスチナの土地に住むすべての人々が、宗教や民族や文化のちがいを超えて真に理解し合い、共存できるという具体的な道筋を描いてほしい。
私たち、日本ペンクラブは、イスラエルとパレスチナに数多くいるにちがいない、そうした知恵と勇気ある友人たちに、心からの連帯の意を表明する。
人類にはまだ、武力によってではなく、言葉と知恵と勇気によって、平和を作り出す能力が備わっている、と信じつつ――。
2009年1月19日
社団法人日本ペンクラブ
会長 阿刀田高


