2000〜2001

情報公開法の見直しと運用に関する提言

 日本ペンクラブは3月15日の定例理事会で、以下の「提言」を発表しました。
情報公開法の見直しと運用に関する提言

 新潟県警への特別監察を十数分で切り上げ温泉ホテルで飲酒・賭けマージャンに興じていた関東管区警察局長について何ら処分は行なわず、これを接待していた新潟県警本部長は減給一ヶ月百分の二十のみの処分ですませようとした警察庁長官の決定とこれに同意した国家公安委員会のありかたが、国民の大きな怒りを巻き起こしている。

 警察当局は、辞任しないと公言していた関東管区警察局長、新潟警察本部長に引責辞任の形をとらせ、その後に両人の退職金返上、警察庁長官を減給処分、県警幹部九人らについても減給などの処分を発表したが、警察の腐敗とこれを監督するはずの公安委員会の警察への癒着についての国民の怒りと不信は強まるばかりである。

 すでに神奈川県警の覚醒剤使用もみけし事件等によって、警察の内部監察制度が機能していないことが誰の目にも明らかになったため監察部門を公安委員会の直轄とする警察法改正が議論されていた矢先であった。

 しかし今回の事件で、実質的には警察の意向によって任命され、高給を受けて警察の決定を追認するに過ぎない公安委員会に監察の監督機能を委ねても、警察浄化の実効性を期待しえないことが明白になった。

 公募による民間人で構成される第三者機関による警察監察制度の創設が望まれるが、それとともに広く一般 国民によってなされる監視が不可欠である。そのためにもいま求められているのは、日本ペンクラブがかねてより主張している情報公開法の見直しと、国民の知る権利にもとづいた運用である。

 日本ペンクラブは以下のように提言する。

 一、新潟県警の少女監禁事件をはじめ最近ひんぴんと明らかにされた信じられない捜査ミスを監視するために、捜査情報の一律不開示条項を見直して、一定範囲、また一定時期経過後の捜査情報の開示を義務づけるべきである。

 二、新潟県警幹部の管区局長との温泉近接地への監察を口実としたホテル宿泊等が「官官接待」であった事実は、今回少女監禁事件の被害者発見日と重なったために明らかになったが、その偶然がなければ、他の管区でも広く行われているであろうことが推測されるに過ぎない。当初、管区局長の私費旅行であると説明されていた事実にかんがみても情報公開法の個人情報非開示原則の運用によっては隠匿されてしまう虞れは目に見えている。情報公開法の施行に当たっては、個人情報非開示原則は、公務及び公務に近接する公務員の行為については除外する旨の運用を、規則等によって明確にすべきである。

2000年 3月15日
社団法人 日本ペンクラブ
会長 梅原 猛