●人権救済制度の法案化の進展に関する質問・要請書
日本ペンクラブは、2000年11月28日に公表された法務省・人権擁護推進審議会の「中間取りまとめ」に対し、同年12月15日付けで「法務省・人権擁護推進審議会の『中間とりまとめ』の修正を求める意見書」を、2001年5月25日に発表されたその最終答申に対しては、同年7月16日付けで「法務省・人権擁護推進審議会の『人権救済制度のあり方について(答申)』に反対する声明」をそれぞれ発し、提案されている人権救済機関について、言論表現の自由の観点から反対の立場を明らかにしてきた。
作家、評論家、フリーランスライターなど表現者の集団としての日本ペンクラブは「行政機関がメディアの表現の中身にまで立ち入り、規制権限を行使することについては強い懸念を表明されざるを得」ず、メディアの人権侵害はあくまでも報道評議会やプレスオンブズマンなどの「自主的なチェック機関において不断に確認すべき性質のもの」であり、「言論表現の自由を阻害する人権救済機関」に「その判断権を委ねるわけにはいかない」と考えたからである。
最終答申を踏まえ2002年度の通常国会への法案提出が報じられているが、答申などの提案に強い懸念を表明してきた日本ペンクラブは、今回の答申が法案提出に向けどのような形で具体化され進展しつつあるのか、深い関心を抱いている。言論表現の自由に深刻な影響を及ぼす制度の導入であるだけに、法案化にいたる過程そのものをもできるかぎり透明にし、国民に開かれた議論が保障されることが肝要であろう。国民の知る権利は、出来上がった法案の提示だけでなく、法案準備のプロセス自体に広く及ぶはずだからである。
日本ペンクラブは、答申の提案が法案化に向け現在どのように具現化されつつあるのか、要綱案等の構想をはじめ、できるかぎり詳細な形で提示・回答することを強く要請する。
2001年12月27日 社団法人
日本ペンクラブ 会長
梅原 猛


