1998〜1999

ロシアおよびアメリカの未臨界核実験に対する声明

 ロシア原子力省は、今月八日北極海の島で未臨界核実験を行なったことを明らかにし、さらに今月中に再度実験を行なうと発表した。日本ペンクラブは、ロシアがいまだに、新たなる核兵器開発を目指して実験を行なっていることに、大きな怒りと深い失望をおぼえる。さらに今度はアメリカが、ロシアの実験に対抗するかのごとく、ネバダ核実験場で、未臨界核実験を行なうと発表した。実験は明日にも強行されるもようである。私たちはそうしたアメリカの動きに唖然とするしかない。

 私たちは五月のインド・パキスタンの地下核実験に対し抗議声明を出し、九月のアメリカの未臨界核実験に対しても強く抗議した。しかしここに来て再び、大国ロシアとアメリカが、未臨界とはいえ核実験を競い合うがごとき状況となったことを深く憂慮する。爆発を伴わない未臨界の実験であるから包括的核実験禁止条約には違反しないというのは、強弁にすぎない。こうした大国の論理が、結局は核兵器拡散につながりかねないことに、私たちは大いなる危機感をおぼえる。

 今後いかなる理由があろうとも、二度と核実験を繰り返すことのないよう、エリツィン大統領とロシア国政府、およびクリントン大統領とアメリカ合衆国政府に、強く要望する。

1998年12月11日
社団法人 日本ペンクラブ
会長 梅原 猛