1998〜1999

イラクへの武力行使に抗議する声明

 十二月十七日、アメリカ・イギリス両国は、イラクに対し大量破壊兵器の開発を防止し、近隣諸国の安全を守るためと称して、巡航ミサイルと航空機による武力行使に踏み切った。

 かねて(本年二月二十四日)「いかなる理由があろうとも、武力行使による問題の解決を容認できない」ことを鮮明にしてきた私たち日本ペンクラブは、今回のアメリカ・イギリスによる武力行使に対し強く抗議する。とりわけ、さきごろ未臨界核爆発の実験を行なったばかりのアメリカが、核兵器を含む大量破壊兵器の開発を防ぐためとして、一般市民を巻き込んで死傷を起こす爆撃を行なったことは、論理矛盾である。しかも国連安全保障理事会の決議を待たず、今回の行動に出たことは、国際協力を旨とする国連をないがしろにするものであり米英両国の横暴と言わざるをえない。

 最後に前回の声明でも強調したが、憲法九条により「武力による威嚇又は武力の行使を国際紛争を解決する手段としては放棄している」はずのわが国の政府が、いち早く米英両国を支持したことは、容認できない。今からでも遅くはない、日本国政府が武力行使の中止をただちに両国に申し入れるよう日本ペンクラブは強く要求するものである。

1998年12月17日
社団法人 日本ペンクラブ
会長 梅原 猛