●行政機関の保有する情報の公開に関する法律(仮称)政府原案に対する意見
日本ペンクラプは、1980年9月に『「情報公開法」制定を要望して』声明を発表しました。同声明は「言論表現の自由を確保するために、政府によって独占されている情報を原則として公関する「情報公開法」が、速やかに制定されることを衷心より要望」したものであり、これが日本ペンクラブの基本的姿勢であります。
以来十数年を経て、今1998年2月、政府は「行攻概閣の保有する情報の公開に関する法律(政府原案)」を発表しました。同法の制定に一歩近づいたものとして歓迎したいところですが、その内容は情報公開法の名を借りた「情報非公開法」であり、日本ペンクラプとしては容認することができず、この法案をこのまま成立させることにば反対せざるを得ません。
国民が要望して久しい真の情報公開制度の成立のためには、全面に改訂することが必要であり、その際取り入れていただきたく、日本ペンクラブとしての意見を申し述べます。
国民が要望して久しい真の情報公開制度の成立のためには、全面に改訂することが必要であり、その際取り入れていただきたく、日本ペンクラブとしての意見を申し述べます。
意見の詳細は、添付の「意見書」の通りですが、その概要は次の通 りです。
1. 国民主権国家においては、すべての国家情報は国民のものであり、政府機関が保有する情報を公開することは、国民に対する義務である。この基本的な命題を明確にしていただきたい。
政府原案では「法の目的」条項は公表されていないが、「法の目的」としては、「国民の知る権利を保障する」ものであることを明示されたい。原則を明確にする意味からは、法の名称を『情報秘匿禁止法』とでもすることが望ましい。
2. 「原案」では公開の対象となる機関を、国の行政機関に限っているが、立法・司法も含めて、すべての中央政府機関、及び特殊法人・認可法人とすべきである。
3. 公開の対象となる文書を、国家機関の職員が職務に関して作成し、使用し、保有するすべての文書とする。とくにその文書の保存を確実にするための規定をこの法律によって定める必要がある。
4. 法案の「規定に違反して秘密を漏らした者」に対する罰則条項は公務員の開示業務を萎縮させるものであつて、不要である。これば要綱案より後退している。「不開示」枠を見直した上、処罰とは無関係に「不開示とすることができる」とすべきである。また 法律に反して開示を怠ったものをこそ処罰すべきである。
5. 「不開示情報」があまりにも大幅、かつ抽象的で、開示機関側の拡大解釈が可能であり、官僚の情報不開示を許容する立法になつている。「不開示情報」については、徹底的な見直しを行ない、不開示の範囲を厳格に制限して、拡大解釈がされないような規定を作るべきである。
6. 私人のプライバシーに属する情報の保護の制度が欠如している一方、公務に関する情報については、公務員等の「個人識別 情報』として不開示とし、また「法人の事葉秘密」をも広く保護するなど公私の観念が混同きれている。抜本的な見直しが必要である。
7. 不開示に対する不服申立て手続きについては、まだ条文が発表されていないが、実効性のある権利とすること及び、不服審査会制度が民主的な統制による制度になることを求める。
以上
1998年3月16日
社団法人 日本ペンクラブ
会長 梅原 猛
内閣総理大臣
橋本龍太郎 殿


