日本ペンクラブ声明「劉暁波氏への人道的対応を求める」

 劉暁波氏の病状悪化が伝えられる。
 劉氏は独立中国語ペンセンター副会長として中国の人権状況の改善に努め、ノーベル平和賞も受賞したが、二〇〇八年以降、中国政府によって身柄を拘束されてきた。報道によれば、最近、同氏は肝臓がん悪化のために刑務所から移送され、病院に隔離、加療中だという。
 この間、日本ペンクラブはくり返し中国政府に対し、劉暁波氏の釈放と中国における人権状況の改善を求めてきたところである。
 劉氏の親族は「日本には肝臓がん治療の非常にいい専門家がいる」として、日本を含む海外での治療を望んでいるという。
 私たちは中国政府に対し、同氏とその夫人の希望に添った医療行為が受けられるよう、海外渡航を含む行動の自由が十全に保障されることを強く求めるとともに、日本政府に対しても、人道的見地に立ち、中国政府に働きかけを行うよう要請する。

2017年6月29日
  一般社団法人日本ペンクラブ 会長 吉岡忍

日本ペンクラブ声明「共謀罪強行採決に抗議する」(6月15日)

 国内外の専門家、表現者、市民から、多くの意見が表明されるなか、国会において十分な審議が尽くされないばかりか、多くの疑問をのこしたまま、思想・表現の自由に重大な悪影響を及ぼすいわゆる「共謀罪」が強行的に採決されたことを深く憂えるとともに、強い怒りを禁じえない。
 今回の衆参両院における法案審議と採決にいたる過程は、民主主義のルールを無視し国民を愚弄したものであり、将来に大きな禍根をのこす暴挙である。
 われわれは法案審議のやり直しを強く求める。

2017年6月15日
日本ペンクラブ会長 浅田次郎

国際ペン会長声明「共謀罪は日本の表現の自由とプライバシーの権利を侵害する」

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 国際ペンは、いわゆる「共謀罪」という法律を制定しようという日本政府の意図を厳しい目で注視している。 同法が成立すれば、日本における表現の自由とプライバシーの権利を脅かすものとなるであろう。私たちは、日本国民の基本的な自由を深く侵害することとなる立法に反対するよう、国会に対し強く求める。

2017年6月5日
国際ペン会長 ジェニファー・クレメント

(原文)
Statement "The "Conspiracy Law will harm freedom of expression and the right to privacy in Japan"

It is with alarm that we observe the Japanese government's intent to establish a law named the "Conspiracy Law", which if adopted will harm freedom of expression and the right to privacy in Japan. We strongly urge the parliament to vote against this legislation, which could deeply harm the basic freedoms of the Japanese people.

June 5th, 2017
Jennifer Clement, President PEN International


国際ペン:国際ペンは1921年に設立され、95年以上の歴史を持つ、26000名以上の作家・ジャーナリストなどの表現者が参加する国際組織である。ロンドンに本部を置き、100以上の国家・地域に149のセンターがあり、日本ペンクラブもセンターの一つである。
ジェニファー・クレメント国際ペン会長はメキシコ出身の作家・ジャーナリスト、メキシコペン会長を経て、国際ペン初の女性会長として、2015年カナダ・ケベック大会代表者会議(総会)で選出され、第23代国際ペン会長に就任した。


日本ペンクラブ声明「北朝鮮をめぐる軍事的破局を回避せよ」

 東アジアの情勢が緊迫している。
 北朝鮮がくり返す核兵器とミサイルの実験、これを抑え込もうとする米韓の合同軍事演習と米中、日米、さらにロシアを加えた周辺諸国の駆け引き。各国の政治権力が最新の軍事力を誇示しながら争っている。
 互いに強がって見せているだけで、たいしたことは起こるまい、という見方もある。私たちもそう願っている。
 しかし、北朝鮮は特異な独裁制を敷いている。他方、関係諸国のなかには、最高権力者が不在の国もあれば、最高権力者だけ決まっていて、閣僚以下要職の多くが空席のままの国があり、また両方が揃っていても、国内議論がきわめて乏しい国や、次々発覚する政権スキャンダルの火消しにやっきで、硬直した思考に陥っている国もある。これらの国々の政権下に私たちは暮らしている。
 この現実を、私たちは見過すわけにはいかない。緊迫した情勢下では、しばしば強圧的な言動が勢いを増し、冷静な判断を狂わせることがある。歴史は、戦争の惨禍が権力を持つ者らの短慮によって、民主主義の機能不全の隙間を縫うように引き起こされてきたことを教えている。そして、生命財産を奪われ、傷つくのはいつも名もなき人々であった。
 日本ペンクラブはこうした歴史に翻弄されながらも、悲惨を直視することから出発した作家・表現者の集まりである。私たちは一方で、過去の経験を振り返り、もう一方で、昨今の世界各地で頻発する暴力の応酬を憂いつつ、いま目の前に展開する緊迫した情勢を甘く見るべきではないと考える。
 北朝鮮指導部は、核実験その他の軍事的挑発をただちにやめなければならない。
 そして、周辺諸国政府は軍事力をもてあそぶことなく、あくまで平和的に解決する努力をつづけるべきである。
 私たちは日本と東アジアに暮らす多くの人たち、そして世界の友人たちに、北朝鮮をめぐる情勢に目を凝らし、自国政府の動きを点検し、この地域に平和と安定と自由をもたらす努力を重ねてくださるよう訴える。

2017年4月24日
  日本ペンクラブ会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明 「共謀罪に反対する」

共謀罪によってあなたの生活は監視され、
共謀罪によってあなたがテロリストに仕立てられる。
私たちは共謀罪の新設に反対します。

  私たち日本ペンクラブは、いま国会で審議が進む「共謀罪(「テロ等組織犯罪準備罪」)」の新設に強く反対する。過去の法案に対しても、全く不要であるばかりか、社会の基盤を壊すものとして私たちは反対してきたが、法案の本質が全く変わらない以上、その姿勢に微塵の違いもない。
 過去に3度国会に上程され、いずれも廃案となった法案同様、いま準備されている共謀罪は、事前に相談すると見なされただけでも処罰するとしている。これは、人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている「内心の自由(思想信条の自由)」を侵害するものに他ならない。結果として、表現の自由、集会・結社の自由など自分の意思を表明する、あるいは表明しない自由が根本から奪われてしまう。
  しかも、現行法で、十分なテロ対策が可能であるにもかかわらず、共謀罪を新設しなければ東京オリンピックを開催できないというのは、オリンピックを人質にとった詭弁であり、オリンピックの政治的利用である。
  このような法案を強引に成立させようとする政府の姿勢を許すわけにはいかない。  
 法案の成立を断固阻止すべきである。

  2017年2月15日
                  一般社団法人日本ペンクラブ                 会長      浅田次郎                 言論表現委員長 山田健太

日本ペンクラブ声明「北朝鮮の核実験を強く非難する」

 私たちは、本日の北朝鮮による核実験を強く非難する。 
 同国による核実験は今回で五回目となる。世界各国、各地域で核兵器全面禁止の世論が高まるなかでのこの無謀な行為と傲岸不遜な態度に、私たちは慄然とする。 
 私たちは愚かな戦争の果てに二度の被爆を体験し、核兵器の非人道性を目の当たりにした。私たちはいかなる国や政府であれ、こうした破壊的兵器の開発と実験を行うことに反対する。核の時代は一日も早く終わらせなければならない。 
 私たちは今回の北朝鮮の核実験を強く非難するとともに、世界のすべての人々が平和と共生の精神に基づき、それぞれの地域の安定と非核化の実現に向けて行動するよう呼びかける。

 2016年9月9日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明 「ダッカのテロ事件に抗議し、多様性と表現の自由の尊重を求める」

 日本ペンクラブは、7月1日、バングラデシュ・ダッカ市で起こされた残忍なテロ事件により、日本からの7人の国際援助関係者を含む多数の人々が犠牲となったことに対し、強い憤りを覚える。 
 近年、バングラデシュにおいて、多種多様に生きる人間の意義を認めない原理主義グループによるテロ事件が頻発している。国際PENもくり返し声明と警告を発し、同国の言論・表現の自由の現状について憂慮してきた。
  公共の場における多様性と平和の保障は、言論・表現の自由の前提である。最近のヨーロッパや米国やトルコでのテロ事件はもとより、世界各地で連鎖する憎しみの暴力に対して、厳正な法的措置がとられるべきであることは言うまでもないが、同時に、これらに対し、世界の市民社会が手を携え、強い抗議の意思を表明することが求められている。
  あらためて日本ペンクラブは、世界のどこであれ、言論・表現の自由が妨げられない社会の実現に向けて努力したい。  
私たちはこのたびのテロ事件のすべての犠牲者の家族と関係者に対し、深く哀悼の意を表するとともに、傷つかれた方々の一日も早い回復を祈ります。  

 2016年7月3日
一般社団法人日本ペンクラブ 
会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明 「改めて通信傍受法の改正に反対し廃案を求める」

 私たちは1年前、審議中の通信傍受法案改正に反対し、廃案を求めた。法案は衆議院の審議において一部修正されたものの、日本国憲法が保障する言論・表現・出版の自由と通信の秘密を侵害する恐れのある点につき、何ら変更はない。
  法案の内容は、傍受対象の犯罪に、窃盗、詐欺、傷害や児童ポルノ規制などが含まれ、通信傍受の制限的な運用となっていた通信事業者の立ち会いもデータの暗号化によって省略できることとされている。例外的な状況に限定されていた制度の運用が、事実上ほぼ無制約に拡大するおそれがあるといえる。こうした危険性は、先ほど来日した国連特別報告書デビット・ケイ氏からも指摘されたところである。  
 私たちは、今回の通信傍受法の改正が、公権力による盗聴社会を招き寄せると考える。これは民主主義と基本的人権の尊重を謳う憲法から逸脱するものであって決して許されない。  

2016年5月16日      
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明「北朝鮮の核実験に抗議する」

 北朝鮮は2016年1月6日、同国内で4回目となる核実験を行ったと公表した。
 その無謀な行為と傲岸不遜な態度に、私たちは慄然とする。
 私たちは愚かな戦争の果てに2度の被爆を体験し、核兵器の非人間性を目の当たりにした。その後も度重なった原発事故により、人間が人間の尺度を超えた核エネルギーをもつことの深刻な危険性を思い知らされてきた。
 私たちはいかなる国や政府であれ、こうした破壊的兵器の開発と実験を行うことに反対してきたし、これからもその姿勢は変わらない。核の時代は一日も早く終わらせなければならない。
 私たちは今回の北朝鮮の核実験に強く抗議するとともに、世界のすべての人々が平和と協調の精神に基づき、地域の安定と非核武装の実現に向けて行動するよう呼びかける。


 2016年1月7日
 一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎

日本ペンクラブ声明「安保法制審議に民主主義の良心を示せ」

 本当にこのまま法案を通してしまってよいのか。
 国会でも、ネット上でも、新聞やテレビでも、議論はすれ違っている。違憲の指摘にも確たる回答はなく、問題の解決も深い理解も進んでいない。
 国会はさまざまの意見に耳を傾け、未来の国のかたちを作りあげるうえで、より多くの民意を反映させる責務がある。
 議員一人ひとりが、それを報ずるジャーナリストの一人ひとりが、もう一度自らの胸に手を当て、いま、誠実さを発揮することを強く願う。
 民主主義社会が目の前で壊れていくのを、私たち日本ペンクラブは、決して見過ごすことができない。

                           2015年9月15日
                            一般社団法人日本ペンクラブ
                                 会長 浅田 次郎
2015
2014
2013
2012

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