吉岡忍第17代会長からのメッセージ 「自由――破局を免れる唯一の道」

 国際P.E.N.の創設にも、日本ペンクラブの創立にも、戦争が深く関わっています。敵への憎しみをあおり、侮蔑し、自分たちの正しさだけを言い募り、内なる異論を排除する風潮は、勝っても負けても、社会と文化を痩せ細らせる。多大な犠牲を払い、苦い経験を経て、先人たちはそう気づき、そこから平和への希求と言論表現の自由とは一体のものである、という教訓を引き出したのでした。
 吉岡会長.jpg国際P.E.N.も、その支部としての日本ペンクラブも、もともとは文学者の活動でした。しかし、マスメディアの発達、創作活動の多様化、国境を越えて広がる情報テクノロジーの進展によって表現の場は飛躍的に拡大し、言論表現の自由は市民社会全体に関わる最重要課題になってきました。
 他方で、今日の世界には、グローバルなヒト・モノ・カネの移動がもたらしたさまざまな荒廃があり、戦争とテロの応酬もあります。これらが呼び起こす人々の不安は、自由よりも安全安心を求める趨勢となって、市民社会の姿を一変させないともかぎりません。
 それでもなお、いや、それだからこそなお、私たちは一人ひとりが自由に考え、自由にものが言え、自由に創作できる社会の実現をめざしたい。それこそが何よりの安全安心であり、ほんとうの豊かさであり、また破局を免れる唯一の道だと信じるからであります。

日本ペンクラブ声明「共謀罪強行採決に抗議する」(6月15日)

 国内外の専門家、表現者、市民から、多くの意見が表明されるなか、国会において十分な審議が尽くされないばかりか、多くの疑問をのこしたまま、思想・表現の自由に重大な悪影響を及ぼすいわゆる「共謀罪」が強行的に採決されたことを深く憂えるとともに、強い怒りを禁じえない。
 今回の衆参両院における法案審議と採決にいたる過程は、民主主義のルールを無視し国民を愚弄したものであり、将来に大きな禍根をのこす暴挙である。
 われわれは法案審議のやり直しを強く求める。

2017年6月15日
日本ペンクラブ会長 浅田次郎

作家のドリアン助川氏が共謀罪に反対を表明しました。(2017年6月12日)

 作家・ドリアン助川氏は2017年6月12日、共謀罪に反対を表明しました。(仕事場にて収録)
 You Tubeで配信しています。

小説家の平野啓一郎氏が共謀罪に反対を表明しました。(2017年5月30日)

小説家・平野啓一郎氏は2017年5月30日、共謀罪に反対を表明しました。(自宅にて収録)

日本ペンクラブ平和委員会シンポジウム「戦争と文学・沖縄」(7月22日開催・事前申込要)

チラシはこちらから→170722シンポチラシ.pdf

 青く澄み渡った空と透明な海、亜熱帯の風。太平洋戦争末期の悲惨な地上戦とそこから続くアメリカ統治の歴史と基地の現実。

 沖縄の光と影は濃密な人と人との交わりを生み、独特の文学が生まれました。
作家・大城貞俊さん(「沖縄文学への招待」琉大ブックレット)を沖縄からお迎えし、
 「帰郷」(大佛次郎賞)ほか、反戦文学作品とベストセラーで知られる浅田次郎さん、沖縄文学選(講談社)をまとめた川村湊さんが「沖縄と文学」を語り合います。
 ペンクラブ 戦争と文学 第4弾
 夏。すずらん通りでお会いしましょう。

主 催/一般社団法人日本ペンクラブ
日 時/ 2017 年7 月22 日(土)午後2 時~午後4 時30 分(開場 午後1 時)
開場後、出演者のサイン本販売会を行いますので、お早めにお越しください
会 場/東京堂書店 東京堂ホール(千代田区神田神保町1-17 東京堂書店6階)
地下鉄神保町駅下車・A7 出口から徒歩3分
参加費/1,000 円 (当日受付払い)
定 員/80 名 ※要申し込み・メールまたは往復葉書の申込到着順
<プログラム>
基調講演 「いま沖縄と文学を考える」浅田次郎(日本ペンクラブ会長)
お話 詩人・作家 大城貞俊(前琉球大学教授)
お話 文芸評論家 川村湊 (前法政大学教授)
質疑と討論
コーデイネーター 梓澤和幸(ペンクラブ平和委員会委員長)


<お申し込み方法>
 事前申込制です。往復はがき、または電子メールのいずれかでお申し込みください。先着順、定員になり次第締め切りますのでご了承ください。
◎往復葉書の場合
 「戦争と文学・沖縄」参加希望、氏名、住所、電話番号、参加希望人数(お一人4 名まで)を明記のうえ下記住所までお送りください(7月14 日までに必着)。
※返信の宛名面に、申込希望者の①「郵便番号」②「住所」③「お名前」をご記入ください。
〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町20-3 日本ペンクラブ 井出宛
◎電子メールの場合
 タイトル(件名)に、「戦争と文学・沖縄」参加希望 とお書きください。
 本文に、氏名・住所・電話番号・参加希望人数(お一人4 名まで)を明記の上、以下のメールアドレス宛にお送りください(7 月14 日までに必着)。 Tsutomu_Ide@japanpen.or.jp
 確認後、事務局より入場整理券メールを返信いたします。
※当日は、返信葉書または入場整理券メールをプリントアウトしてご持参ください。

お問合わせ先:日本ペンクラブ事務局 井出宛 (tel:03-5614-5391)

国際ペン会長声明「共謀罪は日本の表現の自由とプライバシーの権利を侵害する」

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 国際ペンは、いわゆる「共謀罪」という法律を制定しようという日本政府の意図を厳しい目で注視している。 同法が成立すれば、日本における表現の自由とプライバシーの権利を脅かすものとなるであろう。私たちは、日本国民の基本的な自由を深く侵害することとなる立法に反対するよう、国会に対し強く求める。

2017年6月5日
国際ペン会長 ジェニファー・クレメント

(原文)
Statement "The "Conspiracy Law will harm freedom of expression and the right to privacy in Japan"

It is with alarm that we observe the Japanese government's intent to establish a law named the "Conspiracy Law", which if adopted will harm freedom of expression and the right to privacy in Japan. We strongly urge the parliament to vote against this legislation, which could deeply harm the basic freedoms of the Japanese people.

June 5th, 2017
Jennifer Clement, President PEN International


国際ペン:国際ペンは1921年に設立され、95年以上の歴史を持つ、26000名以上の作家・ジャーナリストなどの表現者が参加する国際組織である。ロンドンに本部を置き、100以上の国家・地域に149のセンターがあり、日本ペンクラブもセンターの一つである。
ジェニファー・クレメント国際ペン会長はメキシコ出身の作家・ジャーナリスト、メキシコペン会長を経て、国際ペン初の女性会長として、2015年カナダ・ケベック大会代表者会議(総会)で選出され、第23代国際ペン会長に就任した。


日加女性作家フォーラム「今、女性作家が思うこと」(6月20日開催。申込要)

 日本ペンクラブはカナダ大使館との共催で 「日加女性作家フォーラム」の第二弾として以下のイベントを実施します。

 2016年に「Do Not Say We Have Nothing」 でカナダで権威ある文学賞であるカナダ総督文学賞とギラー賞を合わせて受賞し、イギリスのブッカー賞の最終候補リストに残るなど、今世界的に活躍されているバンクーバー出身のカナダ人女性作家マドリン・ティエンさんをゲストにお迎えしお話しをおうかがいします。日本ペンクラブ女性作家委員会からは茅野裕城子 (作家、日本ペンクラブ女性作家委員会)、野中柊(作家、日本ペンクラブ会員)が参加し、日本とカナダの女性作家による対談を通して、今、女性作家が思うこと、今後の展開について話し合います。

ゲスト・スピーカー:
マドリン・ティエン (作家)
茅野裕城子 (作家、日本ペンクラブ女性作家委員長)
野中柊 (作家、日本ペンクラブ会員)

日時:2017年6月20日(火)、18:30~20:00 (開場:18:00)
場所: カナダ大使館 オスカー・ピーターソン シアター (地下2階)
言語: 英語/日本語
費用: 無料、登録制
主催: カナダ大使館、日本ペンクラブ
共催: 日本カナダ文学会

申込(直接カナダ大使館にお申込みください):
E メール(宛先:tokyo.cc@international.gc.ca)に、下記の事項1~4を明記してお申し込み下さい。登録受付は定員となり次第締め切らせていただきます。
お名前 (日本語・ローマ字)
職業または会社・機関・学校名
E メールアドレス
ご同行者がいらっしゃる場合は、その方のお名前

お問い合わせ:
カナダ大使館広報部
Fax:03-5412-6249
E-mail: tokyo.cc@international.gc.ca

日本ペンクラブ声明「北朝鮮をめぐる軍事的破局を回避せよ」

 東アジアの情勢が緊迫している。
 北朝鮮がくり返す核兵器とミサイルの実験、これを抑え込もうとする米韓の合同軍事演習と米中、日米、さらにロシアを加えた周辺諸国の駆け引き。各国の政治権力が最新の軍事力を誇示しながら争っている。
 互いに強がって見せているだけで、たいしたことは起こるまい、という見方もある。私たちもそう願っている。
 しかし、北朝鮮は特異な独裁制を敷いている。他方、関係諸国のなかには、最高権力者が不在の国もあれば、最高権力者だけ決まっていて、閣僚以下要職の多くが空席のままの国があり、また両方が揃っていても、国内議論がきわめて乏しい国や、次々発覚する政権スキャンダルの火消しにやっきで、硬直した思考に陥っている国もある。これらの国々の政権下に私たちは暮らしている。
 この現実を、私たちは見過すわけにはいかない。緊迫した情勢下では、しばしば強圧的な言動が勢いを増し、冷静な判断を狂わせることがある。歴史は、戦争の惨禍が権力を持つ者らの短慮によって、民主主義の機能不全の隙間を縫うように引き起こされてきたことを教えている。そして、生命財産を奪われ、傷つくのはいつも名もなき人々であった。
 日本ペンクラブはこうした歴史に翻弄されながらも、悲惨を直視することから出発した作家・表現者の集まりである。私たちは一方で、過去の経験を振り返り、もう一方で、昨今の世界各地で頻発する暴力の応酬を憂いつつ、いま目の前に展開する緊迫した情勢を甘く見るべきではないと考える。
 北朝鮮指導部は、核実験その他の軍事的挑発をただちにやめなければならない。
 そして、周辺諸国政府は軍事力をもてあそぶことなく、あくまで平和的に解決する努力をつづけるべきである。
 私たちは日本と東アジアに暮らす多くの人たち、そして世界の友人たちに、北朝鮮をめぐる情勢に目を凝らし、自国政府の動きを点検し、この地域に平和と安定と自由をもたらす努力を重ねてくださるよう訴える。

2017年4月24日
  日本ペンクラブ会長 浅田次郎

【活動報告】イベント「共謀罪は私たちの表現を奪う」4月7日に開催。各界代表が訴え。

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(発言者の動画をYou Tubeで配信中)→こちらから

 4月7日(金)、前日6日に国会で共謀罪(「組織的犯罪処罰法改正案」)の審議が始まるという、緊迫した雰囲気の中で、午後6時半から文京シビックセンター小ホールにて、日本ペンクラブ主催のイベント「共謀罪は私たちの表現を奪う」が開催された。当日は、300名が会場に集い、多くのマスコミが取材するなか、様々な表現活動に携わる人々から、共謀罪の廃案を目指し、活発な発言が行われた。
 冒頭、主催団体の日本ペンクラブを代表して、浅田次郎会長から開会宣言があった。
浅田次郎(日本ペンクラブ会長・作家)― 日本ペンクラブは国際ペンの支部です。国際ペンは、第一次世界大戦後、平和のために表現の自由を守ることが平和につながると世界中にできた組織です。日本でも1935年に創設され、初代会長は島崎藤村です。共謀罪は日本ペンクラブにとり看過できません。私たちは死ぬが、作った法律は残る。残った法律が子や孫の代にどう使われるかはわからない。将来の世代に残る法律を、今だけの判断で決めてよいのでしょうか。 

 引き続き、登壇者が次々に共謀罪への反対・懸念を述べた。(以下敬称略)
雨宮処凛(作家)― 3.11以降の運動全体を弾圧するのに、共謀罪が利用されるのではないでしょうか。逮捕されると、今度は長期拘束される。デモで、何もしていないのに逮捕されているのを何度も見ている。共謀罪がなくてもそんな状態です。北朝鮮に何回か行ったら家宅捜索を受けました。私はそうなりませんが、無意識に委縮してもおかしくない状況ではないでしょうか。
内田麟太郎(絵本作家・日本児童文学者協会理事長)― 私本人は革命的でもないし保守的で委縮しています。権力にも反抗的じゃない。今日は出席を断ったが、友が虎屋の羊羹をくれるというから来ました。そのような私も懸念を持っています。(ナンセンス・ユーモア作家の言葉に場内笑い)
江成常夫(写真家)― 共謀罪は治安維持法と重なると懸念する声があります。日本が戦争に突き進んだ裏には治安維持法がありますし、戦争の過ちと、その過ちを伝えてこなかった過ち、ドイツとの違いはどこにあったのかをもう一度考えるべきではないでしょうか。
金平茂紀(テレビキャスター)―共謀罪は本当に怖い法律。これまで取材して来た中でも特に怖いと感じている。今日の集会の登壇者の中の誰か1人が将来テロに関与するようなことがあると、ここにいるみなさんも共謀罪に問われるということです。横浜事件が起こったという事実を忘れてはいけないと思います。拡大解釈が起きてしまうのです。
香山リカ(精神科医・作家)― 精神科医の立場から。患者さんの訴えで辛いものの一つに、自分の考えを覗かれている、というものがあります。この法案が成立して内心の自由がおかされるのは、病気ではなく、現実世界でこれが起こること。自分の考えが誰かに漏れ伝わってしまうという妄想に囚われている患者さんがいて、それは本当に辛いことです。共謀罪が成立すると法律によって多くの人がそういう精神状態に追いやられることになります。また沖縄基地反対運動の身近な人が長期間にわたって拘束されるのを見ると、このようなことを話す今、現在は恐ろしいことだと思います。
ちばてつや(漫画家)― 東京都青少年条例が出てから、漫画を描く学生が委縮し、「こんな漫画は描いてよいのか」と質問されるようになり、驚いている。北斎は漫画と春画を描いて、ヨーロッパ絵画にも影響を与えました。そういうおおらかさがなくなりはじめているように感じます。社会におおらかさがなくなっていることを憂いています。大きな渦があって、我々日本人はいまその縁にいる。下手すると渦に飲み込まれてしまいます。
長谷部恭男(憲法学者、立憲デモクラシーの会)― 何としてもこれは止めないといけないと思っています。戦争法と同じで、今まで積み上げてきた法の体系を無視して、横からすっと出されている。また、国際的な組織犯罪の対象組織は、テロはおかさないのではないでしょうか。そもそもテロ防止の法律はすでにあり、理屈に合いません。
森絵都(日本ペンクラブ常務理事・作家)― 庇護と監視との関係を考えています。庇護と監視はセットで差し出されるんです。震災が起こって考えたのは大災害が起こった時、国は何もできない、ということです。一人一人が国に守ってもらおうと思うのではなく、一人一人が自分で自分を守るという考え方が大切なのではないでしょうか。
ビッグ錠(漫画家)― こういうことはいったん決まってしまうと手遅れです。決まった後に反対したりしたら、捕まってしまう。危機感をすごく感じています。安心して漫画を描ける時代であってほしい。
森達也(作家・映画監督)― 一人は弱い。誘惑に負ける。でも反省もできる。しかし、共謀罪はそれも許さない。 一人一人を見ず、全体を見てレッテルを貼り、抹殺する法律です。
田近正樹(日本雑誌協会人権・言論特別委員会、日本書籍出版協会出版の自由と責任に関する委員会)― 社会を根底から変えてしまうのではないかと思っています。だから共謀罪に大反対です。普段やっている取材が共謀罪によって大幅に制限される。277に絞ったのではなく、277の新しい罪ができたのではないでしょうか。
山口勝廣(写真家・日本写真家協会専務理事)― 個人情報などがあって、写真が撮りづらくなった。時代の記録はどうなってしまうのか。写真は現場にいないといけないのに、法案が成立すると現場が萎縮してしまうのではないか。共謀罪ができてカメラマンが萎縮するようなことがあってはいけません。社会の窓である表現を閉ざしてはなりません。
中島京子(作家)― テロ対策と著作権侵害はどういう関係があるのだろう? これは誰かを取り締まりたいために対象にされたのでは、大変だ!と思いました。
 あきらめたりせず、理不尽なことに流されていくことに反対しなくてはいけません。テロの対策と言われているのに、関係ないものまで処罰しようとしています。誰かを処罰したいがための法律だと思います。

 途中、共謀罪反対の意志表示のため、登壇者一同舞台に上がり、報道各社の撮影に応える一幕もあった。
 会は、最後に、山田言論表現委員長より、都合により来場できなかった作家などの表現者、団体の名前が読み上げられ、共謀罪廃案を目指し、幅広い層に呼びかけて活動することが確認されて、午後8時40分に終了した。

(まとめ:日本ペンクラブ事務局 速報版 詳細版は後日掲載予定)

私が子ども時代に出会った本-志茂田景樹(4月16日開催、事前申込要)

子どもの頃に読んで感動した本は、いつまでも心に残るものです。
4月16日に、作家の志茂田景樹氏を講師に迎え、講演会「私が子ども時代に出会った本」を開催します。

ちらしはこちらから→チラシ.pdf

主 催: 一般社団法人日本ペンクラブ・国立国会図書館国際子ども図書館
講 師:志茂田景樹(作家)
日 時:2017年4月16日(日)14時~16時
場 所:国際子ども図書館 アーチ棟1階研修室1
(東京都台東区上野公園12-49)
対 象:中学生以上(定員100名)
参加費:無料
※参加には事前のお申込みが必要です。
お申込みはこちらから
http://www.kodomo.go.jp/event/event/event2017-02.html

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