●日本ペンクラブ・メールマガジン「P.E.N.」第58号2007年12月25日
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目次
1)11月26日「ペンの日」懇親会──新井満さんの美声と、浅田次郎さんの乾杯
2)世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」開催──「ペンの日」に記者発表
3)世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」──スペース・ゼロで舞台美術の打合せ
4)世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」参加申込について
5)日本ペンクラブ「電子文藝館」のご案内
6)編集後記「ぺんぺん草」(高橋千劔破)
//////////////////////編集長:高橋千劔破 編集:鈴木康之 記事:穂高健一////
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■11月26日「ペンの日」の集い──新井満さんの美声と、浅田次郎さんの乾杯
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毎年11月26日には、1935年に日本ペンクラブが発足した記念の日として、会
員が集う「ペンの日」の集いが開かれています。今日はその一部をみなさんにご
紹介しましょう。
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2007年の「ペンの日」の集いでは、会員によるミニ音楽会が開かれた。作家で
シンガー・ソングライターの新井満さんが壇上に立ち、エッセイストで全盲の音楽
家・三宮麻由子さんを紹介。三宮さんのピアノ演奏曲が約400人の会場を魅了
した。
一昨年、松山市で開かれたペンクラブ主催の「平和の日」の集いの折、作詞・新
井満、作曲・三宮麻由子の合作で、『この街で』という歌を即興的に作り、披露し
た。その後この歌はCDになり、ポニー・キャニオンより販売されている。
この日、その歌が二人によって披露された。「『この街で』はまだあまり知られて
ないけれど、『千の風になって』以上に、いろいろな歌手がカバーしてくれていま
す。来年の紅白歌合戦には出てくるかもしれません(笑)」。そう説明した新井さ
んが、三宮さんのピアノ伴奏で美声を聞かせた。
昨年、岩手県盛岡市で開かれた「平和の日」いわての集いでは、新井満さんと
エッセイストで音楽家の森ミドリさんの対談が行われた。この集いでも、即興で歌
が作られ、披露された。
「ペンの日」懇親会の会場でも、森ミドリさんのピアノ独奏が流れ、参列者を陶
酔させた。新井満さんはいわての集いが縁で、石川啄木の短歌4首にメロディー
をつけて『ふるさとの山に向かひて』という題目の曲を作ったという。
今年の春からはNHKラジオ深夜便で流れている。この日は、森ミドリさんのピア
ノ伴奏で歌い、会場からは大きな拍手が送られた。
乾杯の音頭は、浅田次郎専務理事。「乾杯のまえに、皆さんにひとつご案内しま
す。日本ペンクラブから、実にいい本が出ました。題して『日本ペンクラブ名ス
ピーチ集』です。今まで、ありそうでなかった本です」と掲げてみせた。
「自分たちで喋って、自分たちで勝手に本にして、名スピーチ集でもないけれど、
すごく面白い。日本ペンクラブの東京の例会、京都の例会などで、日本ペンクラ
ブ会員が話したスピーチや講演。5分くらいの短い話、30分を超えた長いのもあ
ります。ありのままにスピーチを活字にしたものです」。
浅田さんは改めて読み直してみたという。閃いたのが、同書が素晴らしい参考書
になる、ということだった。「スピーチは好むと好まざるとに関わらず、何かの折
に、みんなに順番が回ってくるんです。そのときは考え込む必要などない。この
本を声を出して読んでみる。即効性があり、スピーチの達人になれます。ギャグ
はそのまま盗用してもかまわない」と話す。
「新井満さんの歌が今年のNHK紅白に出るのは確実。来年の今頃、この本は
100万部ぐらい売れていると思います」と持ち上げた。
「ソフトカバーの割には、ちょっと高くて、1680円。ただし、中身は保証つきです」
と紹介した。
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『日本ペンクラブ名スピーチ集』は集英社から発売中。「ペンの日」懇親会は、こ
のあとも、にぎやかに続いた。
http://www.japanpen.or.jp/katsudou/publication.html
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(構成:穂高健一)
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■世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」開催──「ペンの日」に記者説明会
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日本ペンクラブは初代会長・島崎藤村のもと、1935(昭和10)年11月26日に発
足した。ペンクラブでは、この日を「ペンの日」としている。
今年の「ペンの日」の集いに先立ち、日本ペンクラブは、来年2月に開かれる
『世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」−叫ぶ、生きる、生きなおす−』の記者説
明会を行なった。
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●かつて例がない、災害と文化をテーマにした世界フォーラム
阿刀田高会長は記者会見の冒頭で、「日本ペンクラブは国際ペンの日本セン
ターというポジションにある」と説明した。そのうえで、「国際ペンはヨーロッパで誕
生した団体ですから、活動範囲がヨーロッパに偏り、アジアのプレゼンスが非常に
薄かった」と指摘した。
「21世紀に入った現在、日本ペンクラブとしてはアジアの立場から発言し、アジア
の状況を国際ペンの中で訴えていきたい。今回のフォーラムは"世界"と銘うって
いますが、実際には7、8割がたアジアに目を向けています。多士済々の、豪華な
メンバーをそろえた、大きな国際大会です」と強調した。
吉岡忍常務理事は世界フォーラムの企画推進の中心的な存在である。「災害と
文化」というテーマを選んだ経緯について説明があった。
「国際ペン大会は年一回開催され、世界数十カ国から、ペンメンバーが集まりま
す。しかし、大会が大きくなり過ぎたので、互いの作品を知らない。それがペンと
しての相互理解、議論の深まりを妨げているのが実態です」と指摘した。
こうした状況をどう変えていくか。難しい課題ではあるが、そのための方策は何
だろうか、と日本ペンクラブの中で議論してきたという。
地球規模で見渡したとき、台風、ハリケーン、地震、津波、干ばつ、噴火など、さ
まざまな災害が人間を苦しめている。アジアでも災害が頻繁に起きている。特に
日本は災害大国で、あらゆる災害が数多く発生している。
「自然災害は世界共通のテーマであり、それをどう防ぐのか、どのような危機管
理を行なうのか。それ自体はとても大事なこと。だが、それだけではない。自然
災害で現れた人間の姿、社会の持つ隠された面、それらを明らかにしていく必要
がある」
多くの文学が災害を描いてきた。映画が作られ、歌が歌われてきた。それを外
国人がどう読み、どう理解するだろう。「災害に対して、文学はなにを訴えられる
のか」という点にも目を向けた。「そこから世界フォーラム開催へと動き始めた」と
動機が語られた。
実行委員会副委員長の浅田次郎専務理事は、企画推進の発端にさかのぼる。
一昨年の日中文化交流で中国に出向いたとき、北京から上海まで長距離夜行
列車に乗った。吉岡常務理事と二人で寝付けないまま話していた。吉岡さんから
世界フォーラム「災害と文化」の企画がもちかけられました。「人間同士が戦争を
始める以前から、人類は自然と闘ってきた。人類の文化は災害との格闘のうえに
築き上げられてきた。私たちはそのことを忘れていないか。人間は戦争なんかし
ている場合じゃない。戦争すること自体が人間のわがままだ。自然との戦争が
終わったわけではないという認識を持った」と語る。
災害と文化をテーマにした世界フォーラムは、かつて例がない。「日本ペンクラ
ブとしては大変意義がある。大がかりにやってみよう」と浅田さんは賛成した。
2008年2月の世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」の開催につながったという。
●俳句、短歌、小説の朗読、および朗読劇、映画、コンサート
吉岡忍常務理事から、同フォーラムの概要が説明された。ジャンルとしては俳
句、短歌、小説の朗読、および朗読劇、映画、コンサートなど。「小説の場合は、
原作者が自ら朗読します。それに映像やライブの音楽を付け加えます」。
一人ひとり出演者と作品の紹介があった。
日本側からは、基調講演大江健三郎、朗読劇「リトルボーイ、ビッグ・タイフーン」
井上ひさし、小説「安政大変」出久根達郎、コンサート「ニ・イ・ガ・タ・ッ」新井満、
小説「浅間」立松和平、エッセイ「火山列島に生きる」高田宏、短歌・俳句「阪神大
震災」俵万智・黒田杏子選の朗読など。
海外からは、小説「温故一九四二」劉震雲(中国)、映画「そして人生はつづく」監
督:アッバス・キアロスタミ(イラン)、コンサート「カトリーナが奪ったもの、カトリーナ
から得たもの」スーザン&ラス、デイビッド&ロゼリン(米国)、小説「サラブレッドに
乗った小悪魔」アルバート・ウェント(サモア)、小説「黄金色の女たちの石」クワイ
ユーン・ルークジャン(タイ)など。
多くの原稿がすでに集まり、作品は英文に翻訳されている。吉岡常務理事が、
「井上さんは遅筆堂を名乗っているので、いつ原稿が上がってくるのか、わから
ない。わからないという意味では災害がいつやってくるか、わからない。災害の
企画にふさわしい」というと、記者席から笑い声があがった。
最終日にはインターナショナル・スピークアウトを1時間半行なう。
「プログラムのなかで参加した人、企画全体の協力者、日本ペンクラブ会員が、
1人数分で、15人から20人の短いリレートークを行います。それぞれがこの4日
間を通じ、なにを考えたか。どう思ったのか。一言ずつ語っていただきます」
記者から「国際会議や国際フォーラムでは統一見解を発表しますが......?」という
質問が出た。司会進行役の高橋千劔破(ちはや)常務理事がそれに応えて、「一
般的には最終日に総括で統一見解を出しますが、今回それをやりません。イン
ターナショナル・スピークアウトをもって総括に代えさせていただきます」と述べた。
広報担当役員の松本侑子常務理事からは、「世界フォーラムですから、外国人
のために英文テキストの配布を行ないます」と、外国人の参加も促す。
「来年には北海道洞爺湖サミットが開催されます。主な議題は環境問題となる見
通しです。この世界P.E.N.フォーラム『災害と文化』の催しも、ぜひ紹介をお願
いします」と松本さんは記者に要請した。
日中ペン交流事業を終え、中国から帰ってきたばかりの中西進副会長が挨拶。
「戦争は駆け引きである。国家は6割勝てると思えば、戦争をやる。そこに巻き込
まれて被害を受けるのは民である。自然災害も同じ、悲惨な状況に遭うのは民
である。世界P.E.N.フォーラム『災害と文化』は崇高な志を持って、ぜひ成功さ
せなければならない」と力強く語った。
●プログラムのあとに、別室で出演者と質疑応答も
出演者の中から、下重暁子副会長が挨拶した。下重さんは同フォーラムで俳
句・短歌「阪神淡路大震災を詠む」で12首を朗読する。「大学卒業後にNHKに
入って、転勤先が名古屋でした。右も左もわからないときに、約5000人が亡く
なった伊勢湾台風がやってきました。半年間も水が引かない場所もありました。
私は何もわからないまま毎日、毎日、取材に行きました」と災害との関わりを語
る。
下重さんは被災地の子どもにインタビューした。「お父さん、お母さんを亡くした
子どもが詩でも読むように、『2階までお水がきてね。金魚が浮いていたよ』と話し
ていました」。子どもが感じた伊勢湾台風は、両親の死と同時に、金魚の死だった
のだ。それも災害の一つの表現。下重さんはいまだにその言葉を忘れることが
できない。
阪神大地震では大勢の人が災害に遭った。被害者それぞれがいろいろな感じ
方、考え方をした。それが短歌なり、俳句に綴られた。「私と、NHKの後輩の加賀
美幸子さんとふたりで、それを読ませいただきます」と話す。
「災害はマイナスだけど、視点を変えればプラスになる」と高橋千劔破常務理事
から、出演者のひとり出久根達郎(直木賞作家)さんが紹介された。小説『安政
大変』から、井戸掘り人足と夜鷹の話「おみや」を書き直して朗読する。
出久根さんは作品の背景と概要について話した。
「安政2年10月2日夜10時ごろ、江戸に大地震が起きた。被害者の数は特定で
きないが、深川、浅草周辺が甚大な被害をこうむった。安政江戸地震である。そ
の後、『なまず絵』の錦絵が庶民の間で流行した。なまずは地震を起こす張本
人。なぜ庶民は好き好んで、『なまず絵』を買ったのか。
地震は災害だけど、一方で、世直しでした。江戸っ子は地震で失うものはない。
身一つ助かれば、大工、左官は明日から復興仕事で潤う。金持ちは財産を失う。
つまり、世の中が平等になるとみていた。庶民は自然災害をバネにして生きてい
く逞しさがあったのです」と説明する。
井戸掘り人足は地べたから穴を掘る。夜鷹はムシロ一枚で、地べたで営業(売
春)する。男女二人が地べたに寝て語り合う。
「私一人が男と女の声を使い分けて朗読します。そのさなかに労働歌が入りま
す。男と女の駆け引きのような歌です。掛け言葉はかなりワイセツです。世界
P.E.N.大会用に、これを英語に翻訳してくれた。すごいことです」と披露した。
出久根さんはそろそろ朗読練習に入る予定だという。
記者席から、「出演者と参加者は質疑ができるのか」という質問が出た。
「メイン会場では質疑を行いません。会場には別にスペースがいくつかあります。
一つのプログラムが終わると休憩時間が20〜30分ありますから、会場で十分に
議論できなかったこと、聞きたかったことは、そちらで出演者に質問できます」。
「井上ひさし・朗読劇『リトルボーイ、ビッグ・タイフーン』が2日間行われるが、内
容は別のものか?」という質問もあった。
「まったく同じもの、出演者も一緒です。理由は2つ。書き下ろしの創作朗読劇だ
し、1回ではもったいないから2回でやろう、ということになりました。もう一つは、
井上さんの芝居は人気が高いし、会場に450人しか入れないとなると、切符が
ないと大騒ぎになることも予測されます」と吉岡さんが説明した。
「(井上さんの原稿が遅れて)初日がダメならば、3日目の公演で、というわけで
はありません」と、司会進行役の高橋さんが念を押すと、記者席から笑いがもれ
た。
「それぞれのステージの参加料は1000円。お金はともかく、中身の濃いフォーラ
ムです。ペン会員の方だけでなく、一般参加も大歓迎です」と、進行役の高橋さ
んが締めくくった。
(構成:穂高健一)
世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」
http://www.japanpen.or.jp/katsudou/saigai/saigai.html
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■世界P.E.N.フォーラム『災害と文化』──スペース・ゼロで舞台美術の打合せ
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世界P.E.N.フォーラム『災害と文化』のプログラムが正式に決定し、すでに記
者発表も行われた。プログラム制作など、すべてが動き始めた。12月7日午後、
収容人数450人のスペース・ゼロで、同フォーラムの舞台関係者、および技術関
係者など総勢15名による打合せが行なわれた。
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まず、ホールに入り、舞台美術の第一人者である朝倉摂(あさくら せつ)さん
と、日本ペンクラブの吉岡忍企画委員長が中心となり、可動式の舞台、黒幕の
位置、客席との距離などを確かめた。その上で、プログラムごとに舞台をどのよ
うに作るか、と具体的な打ち合わせが進んでいった。
「災害の描写では、気持ちが悪くなるほどリアリティーを高めたい」という吉岡さん
の熱ぽい要望が語られた。それを前提にした、エプソン製プロジェクターで投影
する、劇場の左右壁面の布地などで意見を出し合う。朝倉さんが舞台美術の立
場から、スクリーンの大きさや色はグレーとすることが決められた。
続いて出演者ごとの舞台装飾、TVカメラの位置、楽器演奏者(コカリナ)の音響
効果、ピアノの位置、演台や譜面台など、打合せは各セクションの詳細にわたっ
た。
コカリナ演奏者の黒坂黒太郎さんの音色が会場に響き、当日のステージを彷彿
とさせた。
○
小説朗読の背景として、絵と映像が流れる。それぞれオリジナルの絵を使う。
「絵はかなりでき上がってきて、流れで見せるパソコン処理の作業に入っていま
す」と吉岡さんが説明した。
朗読は人間の語るものだから、何分何秒と正確にはいかない。「そのときの調子
と雰囲気で、長い短いがある。映像を最初から最後まで、パソコンに正確に組み
込んでおけない」と難しさを語る。
対策として、朗読はシーンごとに分割する。たとえば絵が30枚あれば、シーンを
30分割する。「パワーポイントを使って、クリックして絵を変えていきます」。
舞台関係者からは、「絵については、パソコン出しと、DVD出しがあるのですね」
と念押しがある。
作品冒頭の「作者、タイトル」の表示は統一される。劇場関係者からは、「フロン
トからバーンと出すのですか、裏側から出すのですか?」という質問が出る。「裏
側からで良いです。これから舞台が始まりますよ、という程度に」と吉岡さんが応
えていく。
○
スペース・ゼロの表玄関は総ガラス張りだ。戸外を歩く人からは劇場の内部が見
える。それを利用して、およそ13枚の垂れ幕をつくることになった。「災害と文
化」「叫ぶ」「生きる」「生きなおす」などの文言を並べる。
最終的な文言は吉岡さんが作ることになった。「あまり、難しいことは書かない
で」と朝倉さんから注文が出る。他方で、垂れ幕のデザインについては、「無地」
で大きな旗のイメージにしたいという。
「真っ赤なところに白く抜く。黄色いところは緑で。外の人が、いろいろ色があって
綺麗だな、のぞいてみたいな、と思う。そういうことが大事です」と朝倉さんは強
調した。
「必要なら、一枚だけは真ん中に写真を入れたい」
吉岡さんが提案する。
「それがいいです。全部、絵にするとイライラしますから」
正面玄関のディスプレーが具体的に決まった。
○
舞台作業の仕分けについても、話し合われた。照明と音響は劇場が行う。朝倉
さんがプランした布の施工や仕込んで飾る一連の作業は、舞台監督の北條孝さ
んの担当に決まった。同時に、プロジェクターで投影するグレーのスクリーンの用
意もお願いした。
「(舞台装飾は)全部まとまりましたね」と朝倉さんが笑顔で言う。
「日本ペンクラブとしては初めての経験ですからね。この先、何を決めればよい
か、まずそれがわからない」と吉岡さんは身構えている。
その矢先、「各出し物ごとに照明スタッフとか、音響スタッフがどう関わっていく
か。音響と照明のスケジュール出しが重要です」と制作調整の永島直樹さんか
ら提案が出る。
「脚本はできています。朗読する人にはこれから読んでもらいます。そのときに、
ここでライトを上げてほしいとか、落としてほしいとか、この色がほしいとか、台本
に書き込んでおきます」と吉岡さんが応える。照明とか、演出とか、さらなる技術
面はそれぞれ専門家に任せることになる。
○
劇場内のギャラリー写真展では、外国の災害写真のパネルを並べる。「それぞ
れの小説のストーリーに合わせて描いてもらった原画が全部で200点ほどありま
す。アクリル絵、墨絵などいろいろで、原画を見たら、一枚一枚がすごい迫力。写
真展の中に、それら原画を混ぜたい」と吉岡さんから提案があった。写真、絵画
のほかに、原画を並べる方向で検討される。
一連のスケジュール管理は吉岡さんが行なうことが決まった。
(構成:穂高健一)
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■世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」参加申込について
記事でも紹介しました、世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」の参加申込が始
まりました。2月22日〜25日に、映画、コンサート、朗読、映像などによる多彩な
コラボレーションが行われますが、すべてを9つのイベントに分けて、申込を受け
付けています。
参加ご希望の方は、日本ペンクラブのホームページ http://www.japanpen.or.jp/
から、「プログラム」 http://www.japanpen.or.jp/katsudou/saigai/program.html
をご覧になり、参加希望イベント番号、氏名、連絡先をご記入の上、下記事務局宛に、E-
mailまたはファックスにてお申し込みください。
お申し込みを受け付けた方には、事務局よりご連絡を差し上げます。
参加費は、各イベント1,000円(税込)。全自由席。チケットは9つのイベントごと
です(通し券はありません)。
各イベントとも定員になり次第、販売終了とさせていただきます。
お問い合わせも、ファックスまたはE-mailでお願いします。
申し込み先・問い合わせ先──
世界P.E.Nフォーラム「災害と文化」事務局
112-0005 東京都文京区水道2-1-1
(株)勁草書房 コミュニケーション事業部内
FAX:03-3814-6904 E-mail:penforum@b-comm.gr.jp
詳しくは、「参加のお申し込み」をご覧ください。
http://www.japanpen.or.jp/katsudou/saigai/ticket.html
世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」
http://www.japanpen.or.jp/katsudou/saigai/saigai.html
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■日本ペンクラブ「電子文藝館」のご案内
11月〜12月に新しく掲載された文藝作品です。閲覧はすべて無料です。
*招待席/主権在民史料
千葉 卓三郎(ちば たくさぶろう 明治の自由民権思想家)「日本帝国憲法」(五日市憲法草案)
*招待席/出版・編集
石橋 湛山(いしばし たんざん 経済ジャーナリスト・内閣総理大臣・立正大学長)「大日本主義の幻想」
http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/index.html
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<<ぺんぺん草>>
日本ペンクラブには多くの委員会があって活発な活動を行っています。そのひと
つ編集出版委員会は、日本ペンクラブ編アンソロジーを、光文社、集英社、ラン
ダムハウス講談社などから、文庫本もしくは単行本として年に5、6点刊行してい
ます。
最新刊は『日本ペンクラブ名スピーチ集』(創美社刊、1680円)。日本ペンクラ
ブの例会やイベントでの講演を収録したものですが、なるほどとうなずかされる
ものや、抱腹絶倒のスピーチなど傑作ぞろい。読んでおもしろいし、自分のス
ピーチや講演の参考にもなります。
収録の講演者は、浅田次郎、阿刀田高、アルフォンス・デーケン、井上ひさし、
加賀乙彦、黒井千次、椎名誠、下重暁子、高樹のぶ子、立松和平、辻井喬、中
西進、藤原正彦、眉村卓、米原万里、山本一力(50音順)の16人16編。いずれ
も文壇の重鎮や今をときめく人気作家です。
ちょっとだけ内容を紹介しますと、井上ひさしさんは「遅筆生活四〇年」と題し
て、なぜ原稿が遅いかのいい訳を、ユーモアを混えて語り、椎名誠さんのスピー
チは、北極圏でアザラシの筋肉と皮の間にいる寄生虫や、腸の内容物を食べた
話。「ようするに途中経過の糞なんですね」と、その糞の味のウンチクを述べる。
また藤原正彦さんは「私の思うことは、ほとんど全部、偏見と独断と誇張と大風呂
敷ですから、あまり本気にしないでいただきたい」と前置して、南インドのど田舎
の小さな村から、なぜ多くの数学の天才が出たのかを語ってます。読んでみたく
ないですか。現在書店で販売中です。(高橋千劔破)


