メールマガジン「P.E.N.」バックナンバー

日本ペンクラブ・メールマガジン「P.E.N.」第9号2004年3月19日

緊急出版『それでも私は戦争に反対します。』

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■単行本『それでも私は戦争に反対します。』(平凡社・本体1,600円+税)が、こ
の3月、発行されました。
 45人の文筆家たちが、反戦への思いを、小説・手紙・批評・エッセイで表現して
います。

 本の企画提案から発行まで、わずか2か月半! 驚異的なスピードで、この本は創
られ緊急出版されました。

 その経緯について、編者の一人・吉岡忍さんが寄せた「本書出版の顛末−あとが
きに代えて」より、一部抜粋してご紹介します。

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□本書出版の顛末 あとがきに代えて

 日本ペンクラブには語り継がれた昔話がある。

 昔むかーし、日本が満州事変、国際連盟脱退、アジア侵略戦争へと向かいつつあ
った1935(昭和10)年、島崎藤村(初代会長)、徳田秋声、正宗白鳥らは文学にお
けるリベラリズムと国際関係の重視を唱え、日本ペンクラブを創設した。やがて戦
争が本格化し、きびしい言論統制が敷かれて活動は停止されたが、そのとき、徴兵
されてフィリピン戦場をさまよった会計担当者ひとりが、かろうじて帳簿を抱え、
命脈を守りつづけたという。

 こういうエピソードを思い出すこと自体が、時代の曲がり角ゆえである。

 2003年12月15日午後、ペンクラブの定例理事会が開かれたとき、日本政府は自衛
隊のイラク派遣の準備を着々と進めていた。すでに私たちは、米英軍がイラク侵攻
を開始した際には国連事務総長宛てに実態調査を求める要請状を出し、小泉首相宛
てにも自衛隊派遣を思い止まるよう要求する声明を発していた。
(詳しくは、 http://www.japanpen.or.jp を参照されたい)

 次々と動いていく日本と世界の現実に対して、何をなすべきか。

 現在の日本ペンクラブ(井上ひさし会長)には環境委員会、人権委員会、獄中作
家委員会、言論表現委員会などと並んで平和委員会がある。副委員長の吉岡忍が
「会の内外に呼びかけ、それぞれ得意のやり方でこの現実を表現する。それがもっ
ともペンクラブ的ではないか。緊急出版を」と提案し、賛同された。(444頁〜445
頁より引用)

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 そして師走の半ばから大晦日にかけて、書き手に原稿を依頼。正月明けに〆切。
 45人は正月休みを返上して執筆。そして3月上旬、本が刷り上がり、店頭に並びま
した。


□目次は以下の通りです。

・はじめに

・創作 --- 紙の上に降りてきた戦争
  浅田次郎  もうひとりの私から、イラクへと向かう部下へ
  阿刀田高  神々は笑う
  安西水丸  星
  大岡信   前もつて知ることはできぬ 「戦争はすべてを手遅れにする」
  小中陽太郎 ペンはけんよりもつよし
  辻井喬   消される
  道浦母都子 鶴と砂漠と
  梁石日   Y氏の独りごと
  唯川恵   彼女の存在
  吉岡忍   綿の木の嘘
  米原万里  バクダッドの靴磨き

・手紙 --- あなたへ、戦争の世界へ
  落合恵子  生き延びてください。まずはそのことを伝えたくて。
          ......イラクの子どもへ。そして世界中の子どもへ
  小林エリカ 今日と明日への手紙
  澤地久枝  若いあなたへ
  立松和平  子供たちへの手紙
  長薗安浩  不破君への手紙
  日垣隆   「戦後」初の観光客として考えたこと......イラク人への手紙
  森達也   オサマ・ビンラディンへの手紙
  養老孟司  拝啓 小泉首相様
  吉田司   わが《連帯の挨拶》

・批評 --- 戦争表現の彼方
  新井満   唱歌『故郷』は反戦歌なのです
  石坂啓   小泉スネ夫の戦争
  江川紹子  戦争は、美しき「感動」とともに
  大石芳野  戦争と「宣争」
  倉橋羊村  俳句とイラク戦争
  小谷真理  だれがボタンを押すのか?
  下重暁子  さりげない日常を奪ってはならない
  巽孝之   あのアメリカン・パイをもう一度
  中西進   母の涙と武勇
  秦恒平   葛藤する平和論の悩ましい行方
  松本侑子  女性作家による戦争文学三冊......向田邦子著『あ・うん』、
        田辺聖子著『おかあさん疲れたよ』、村山由佳著『星々の舟』
  森詠    アメリカは、日本に何を期待しているのか?
        ......最近の戦争映画に見るアメリカ人の戦争観
  森まゆみ  タイやインドで考えたこと
  渡辺えり子 死体の上の演劇

・エッセイ --- 日常から戦争までの距離
  赤瀬川隼  日本国憲法世界行脚隊
  雨宮処凛  逃げろ! モハメッド!!
  池澤夏樹  ロバを撃つべきか
  井上ひさし ブッシュ氏の論理
  轡田隆史  うたを忘れるなカナリアよ
  計見一雄  戦争とアドレナリン
  高橋千劔破 ブッシュが殺したハルウララ
  田原総一朗 アメリカとのつきあい方
  西木正明  奇妙な時代
  保阪正康  自衛隊のイラク派遣になぜ反対するか
  三好徹   来る日に来るにあらず

・執筆者紹介


『それでも私は戦争に反対します。』(平凡社、本体1,600円+税)
全国の書店で好評発売中です。ぜひお求め下さい!

「46人目の表現者は、あなたです」

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■ペンクラブの催しのご案内

シンポジウム
『自然のなかの文学 文学のなかの自然』

▼日 時
 2004年3月25日(木) 18:30開演〜20:30閉会予定

▼会 場
 アルカディア市ヶ谷 私学会館
 〒102-0073 東京都千代田区九段北4丁目2番25号
 TEL 03-3261-9921(代表)

▼交 通(各駅から徒歩約2分)
 JR(総武線)→市ヶ谷駅
 営団地下鉄(有楽町線・南北線)→市ヶ谷駅(A1-1)出口
 都営地下鉄(新宿線)→市ヶ谷駅(A1-1)、(A4)出口

▼地 図
 日本ペンクラブのサイトに掲載しています。
 http://www.japanpen.or.jp/katsudou/event/040325.html

▼主 催
 日本ペンクラブ環境委員会

▼出演者
 第1部)基調講演「近代文学における環境文学とは」
     講師/井上ひさし
 第2部)ディスカッション「環境文学とは何だ!?」
     司会/斎藤 純
     パネラー/井上ひさし 新井 満 金丸弘美 高橋千劔破

▼参加費
 500円

▼申し込み制(先着150名)
 日本ペンクラブ事務局(電話 平日10:00〜18:00受付)
 TEL 03-5614-5391  FAX 03-5695-7686

▽主催者よりひと言 ------ 日本ペンクラブ環境委員長 斎藤 純
「日本ペンクラブにはすでにいくつもの委員会があり、いずれも言論表現の自由を
守り推し進めるための活動を行なっています。
 環境委員会も同じ理念に基づく活動をめざし、とりわけ「声なきものたちの代弁
者」でありたいと考えております。地球上で共に生きる動植物は自ら発言すること
はありませんが、こちらから耳を傾ければ雄弁にいろいろなことを物語ってくれま
す。その声をいかにして聞き、どのように伝えていくか。模索しつつ活動していき
たいと思います。」
どうぞお早めにお申し込みください。ご来場、お待ちしています。