●委員会
国際ペンの委員会には平和作家委員会、翻訳と言語の権利委員会、女性作家委員会、獄中作家委員会があります。各委員会には国際ペン理事会に報告する委員長がおり、その活動を支えるのは国際ペンの事務局となります。獄中作家委員会を除く全ての委員会は特定のセンターが事務局を引き受けます。
委員会は関係する問題やテーマについて国際的、地域的、また各センターのレベルでの議論とプログラムを促します。各センターは参加の意志のある活動分野の委員会を選び、代表者を指名します。
平和委員会
女性作家
翻訳と言語の権利
獄中作家
平和作家委員会
国際ペン平和作家委員会は冷戦時代において、文化的協力も困難になってきたことに対応するため1984年創設されました。その主な目的は、多くの門戸が閉ざされていた中で、考えや著作の交換を促し、平和で知的な協力の扉を開けることでした。初期には委員会の年次会合をブレド(現スロベニア)で開催し、東西ブロックの作家間の民主的対話の場を作り、旧ユーゴが解体する過程では、その地域の作家達が意見を交換し、体験を語り合う場を提供しました。
今日でも、この会合は知的で文学的な対話と理解の場を提供しています。ブレド会議は全世界の作家とペン会員が集い、文芸界にとって関心のある多くの話題を議論し、討論する場となっています。例えば議題は「テロリズムに対抗する手段としての表現の自由」「世界的な文学の過小評価の時流における国際ペンの役割」などです。
現在の委員長はエドバルド・コバック(Edvard Kobac)で、事務局はスロベニアペンセンター内にあります。
女性作家委員会
国際ペン女性委員会(The International PEN Women Writers' Committee)は1991年に創設され、女性作家が経験したり、女性作家が直面する特有の問題について支援することを目的としています。今日、国際ペンにおいて、女性と女性の権利を代表するばかりでなく、国連等の他の組織と連携し、女性に関わる問題解決や権利改善という目的の下、共に活動しています。
読書や執筆活動に関して、女性ということだけで、特定の問題を抱えていることがあります。文芸や情報にアクセスする機会が不平等であったり、育児についての責任を課せられたり、さらに幾つかの国では女性作家の作品を出版することさえ全くできないのが現状です。国際ペン女性作家委員会は国際ペンの全ての活動領域、獄中作家委員会、翻訳と言語の権利委員会、各地域プログラム、文芸プログラムと協力して、女性作家の育成と全てのペン会員が活動に参加できるように働きかけています。
委員会の代表は国連婦人の地位委員会の会合に出席するとともに、エジプトのナワル・エル・サーダウィ(Nawal EL Saadawi)やキューバのマリア・エレナ・クルス・バレラ(Maria Elena Cruz Varela)、マルタ・ベアトリス・ロケ(Marta Beatriz Roque)などの女性作家にかかわる人権問題に関わってきました。
国際女性作家委員会は現在70を超えるセンターにおいて、民族的にも、言語的にも様々なメンバーが参加し活動しています。優先課題としては、女性作家に国際ペンのプログラムやキャンペーンの情報を確実に伝達し、機会の平等を与えられていない女性の多い地域を重点的に、創造的なプログラムを創り出すことです。2007年7月にはダカールにおいて隔年毎に開かれる女性作家委員会会議を開催しました。
委員会は毎年英語、フランス語、スペイン語のニュースレターを発行し、女性作家の選集「わたしたちの声」もすでに4巻を発行しています。国際ペン女性委員会についてのさらなる情報とニュースレターの申し込みは http://www.ipwwc.org にどうぞ。
国際ペン女性委員会の現在の委員長はメルボルンペン会長ジュディス・ブックリヒ博士(Dr. Judith Buckrich)で、事務局はメルボルンペン内にあります。
翻訳と言語の権利委員会
国際ペン翻訳と言語の権利委員会は1978年第43回ストックホルム大会で創設されました。元々は企画翻訳委員会という名称でしたが、文学を少数言語から世界的に影響力のある言語(国際ペンの公式言語である英語、フランス語、スペイン語など)に翻訳されることを奨励し、結果として、さらに広く話されている言語や、あるいは少数言語双方の他の多数の言語に翻訳されるように働きかけることを目的としています。
今日、委員会は、主として、翻訳と言語的権利の問題とその影響力について焦点をあてています。特に文学にアクセスできるかという最も基本的な段階を含め、この翻訳と言語的権利の問題は世界中の読者と執筆者に影響を与えています。同時に文学の翻訳そのものが文化間の対話や交流を始める切掛けになれる役割を有していることについても重要視しています。マケドニア、中国、コロンビア、マラウィなどの翻訳家や作家が構成する国際諮問機関によって編集される多種多言語を尊重するウェブサイトにおける文学の翻訳活動の推進、電子的に選集される他言語文学作品の開発、多数民族言語から少数民族言語への作品翻訳、外部団体と連携してキャンペーンを行い、出版に関する協力関係を構築したり、世界中に存在するペンセンターに対し、独自の翻訳と言語の権利委員会を創設させ、発展させていくことへのサポート等々の長年の努力の積み重ねを必要とする活動によって支えられています。
現在の委員長はKata Kulavkova教授で事務局はマケドニアペンセンター内にあります。
翻訳と言語の権利委員会を持つペンセンターは言語の権利に関する宣言に署名しています。
役に立つリンク
翻訳と言語の権利委員会(http://www.diversity.org.mk/)
「翻訳すべきかすべきでないか」
(http://www.internationalpen.org.uk/internationalpen/files/dmfile/translated.pdf)
言語の権利に関する世界宣言
(http://www.unesco.org/cpp/uk/declarations/linguistic.pdf)
獄中作家委員会
国際ペンの獄中作家委員会は1960年に創設されました。世界中に批判的言論の展開を抹殺しようという試みに対する懸念が高まる中、その動きに呼応し、ロンドンの国際ペン本部にボランティアによる事務局が設置され、情報収集、国際ペン会員に警告を発し、抗議行動を促すという役割を担っています。国際ペン獄中作家委員会は現在専門家チームにより毎年約1000人の作家、ジャーナリスト、編集者、詩人、出版社などに対する攻撃を監視しています。この事例には長期刑、脅迫、脅威、さらには殺人が含まれます。
国際ペン獄中作家委員会専門家チームは緊急性を要する案件のみならず、表現の自由に対する世界的な抑圧や個々の事例の展開に対し監視活動を並行して警告を発したり、各抗議活動やキャンペーンへの助言も行います。抗議活動やキャンペーンとしては、抗議の手紙の送付、各政府へのロビー活動、社会教育活動も含まれます。また、投獄されている作家やジャーナリスト等の家族への手紙や、可能であれば、その本人へ手紙を送ることによって、希望や勇気を与える続ける活動も行っています。
現在国際ペン獄中作家委員会には世界中の64のペンセンターが所属しています。
「無実の人が投獄されることによって、孤立、孤独、そして喪失感に苛まれる。わたしに対する不当な告発に対しあなた方がわたしを守ってくれているということ知ったことで、わたしのなかに喜びが生まれ、獄中にいるという過酷な状況を克服しようという意志を鼓舞してくれました。」
2004年から獄中作家委員会委員長はカレン・クラーク(Karen Clark)が務めています。


