招待席・反戦反核

アーシュラ・K・ル・グウィン

名作『ゲド戦記』等の著名なアメリカの小説家。 1929年 米国カリフォルニア州バークレイで、著名な文化人類学者を父に、同じく作家を母に、生まれる。1969年発表の『闇の左手』はヒューゴー賞とネビュラ賞を独占した初の長編小説として注目され、その後の活躍はすばらしいものがある。2002年11月にはペン/フォークナー賞(アメリカ人作家ウィリアム・フォークナーが獲得したノーベル賞受賞賞金を基金として創設された賞で、米国ペン・クラブ会員が選考にあたる権威ある文学賞)を短編小説集で受けている。 掲載作は、ル・グウィン自身のホームページにも提唱されている、近時のアメリカの戦争政策を憂慮し批判した、詩。電子文藝館は、平成十五年(2003)七月、作者の志をより広く世界に伝えるべく、高橋茅香子会員の翻訳を添え、賛同の念とともに掲載する。

American Wars

Ursula K. Le Guin Portland,OR

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Like the topaz in the toad's head

 

the comfort in the terrible histories

 

was up front, easy to find:

 

Once upon a time in a kingdom far away.

 

Even to the dreadful now of news

 

we listened comforted

 

by far timezones, languages we didn't speak,

 

the wide, forgetful oceans.

 

Today, no comfort but the jewel courage.

 

The war is ours, now, here, it is our republic

 

facing its own betraying terror.

 

And how we tell the story is forever after.

戦争に戦争を重ねるアメリカ

   高橋 茅香子 訳

語るも恐ろしい歴史の流れの中でも、安心感は

 

ひきがえるの頭の中にトパーズを見つけるように

 

いつもすぐ手の届く所に求めることができた

 

昔むかし、ある遠いところに、というお話だったから。

 

身の毛もよだつニュースさえ、耳にいれては

 

すぐに安心感をみつけだしていた

 

距離からうまれる時間差があり、理解できない言葉があり

 

隔てる海は広く大きく、なんでもすぐに忘れさせた。

 

いま、安心感はなく、宝石のようにひかるのは勇気だけ

 

戦争はわたしたち自身のもの、いま、ここで、

 

わたしたちの国が直面する、信頼を裏切ったという怖れ

 

お話の結末はわたしたち自身の言葉で紡がなくてはならない

 

それから後は、こうなりましたとさ、と。

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Ursula K. Le Guin
日本ペンクラブ 電子文藝館編輯室
This page was created on Aug 07, 2003

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