出演者/内容

サラ・パレツキー──Sara Paretsky


◎朗読劇とスピーチ「沈黙の時代の作家」 9月23日16:00~17:30 大隈講堂
人を、人種や性別という〈檻〉に囲い込む社会制度への反抗が米国の人気ミステリー作家を育て上げた。初めて語る生い立ちと、9.11以降の米国社会への違和感、そして、孤立を乗り越える人々への静かな共感。
朗読=山根基世(ことばの杜 元NHKアナウンス室長)、脚本・演出=吉岡忍、画・ライブドローイング=茂本ヒデキチ、作曲=森ミドリ、パーカッション=定成誠一郎・淡紅子

Paletzky.jpgサラ・パレツキーは1947年アイオワ州エームズに生まれ、カンザス州コー・ヴァレーで育った。カンザス大学を卒業後、シカゴ大学で政治学の博士号を取得し、以来シカゴに住む。1982年に『サマータイム・ブルース』で作家デビュー。ハードボイルド小説の主人公に、自立した女性私立探偵V・I・ウォーショースキーを起用して、注目を集め、高く評価された。1988年に『ダウンタウン・シスター』で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。2002年には同賞のダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、さらに2003年の『ブラック・リスト』で同ゴールド・ダガー賞も受賞した。V・I・ウォーショースキー・シリーズは、1991年に第2作『レイクサイド・ストーリー』を基にしたオリジナル脚本で「私がウォシャウスキー」(キャスリーン・ターナー主演)として映画化されている。また、著作活動以外にも女性作家地位向上のための団体〈シスターズ・イン・クライム〉の創設に関わり、初代会長を務めた。
日本では〈ヴィク・ファン・クラブ〉が結成されるほどの人気で、キャスターの小宮悦子氏やエッセイストの温水ゆかり氏などがファンとして知られている。1994年には早川書房の招きで来日した。
 
サラ・パレツキー著作リスト
〈V・I・ウォーショースキー・シリーズ〉
1『サマータイム・ブルース』Indemnity Only(1982) 2『レイクサイド・ストーリー』Deadlock(1984)  3『センチメンタル・シカゴ』Killing Orders(1985)  4『レディ・ハートブレイク』Bitter Medicine(1987)  5『ダウンタウン・シスター』 Blood Shot (1988)  6『バーニング・シーズン』 Burn Marks (1990)  7『ガーディアン・エンジェル』 Guardian Angel (1992)  8『バースデイ・ブルー』 Tunnel Vision (1994)  9『ハード・タイム』 Hard Time (1999)  10『ビター・メモリー』 Total Recall (2001)  11『ブラック・リスト』  Blacklist(2003)  12『ウィンディ・ストリート』 Fire Sale(2005)  13 Hardball(2009) 早川書房より2010年9月刊行 14 Body Work(2010)
〈単発作品〉
『ゴースト・カントリー』Ghost Country(1998) 『ブラッディ・カンザス』Bleeding Kansas(2008)
〈短篇集〉
『ヴィク・ストーリーズ』 Sara Paretsky's Short Story Collection(1994)
ウォーショースキーものを集めた日本独自編纂の短篇集。
〈エッセイ〉
『沈黙の時代の作家』Writing in An Age of Silence(2007)早川書房より2010年9月刊行
*パレツキー作品の邦訳はすべて早川書房刊、山本やよい訳

『沈黙の時代の作家』──Writing in An Age of Silence
2007年に発表されたサラ・パレツキーのエッセイ。現代社会の諸問題と対峙しつづける作家が、自身の半生や信条を明かす。第一章「手に負えない女たち」では、厳格な両親と4人の兄弟とともに育った幼少時代、第二章「キングとわたし」では、彼女の作家活動に大きな影響を及ぼした、1966年のマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの公民権運動、第三章「天使ではない、怪物でもない、ただの人間」では、フェミニズム運動とV・I・ウォーショースキー誕生秘話、第四章「iPodとサム・スペード」では、社会を犠牲にして個人を美化するアメリカ社会について痛烈な批判を加えている。また、今秋早川書房より刊行の翻訳版では、日本向けに新たに書き下ろした、オバマ政権誕生後のアメリカに関する一章が追加される。

写真(禁転載) ©Tom Maday, Chicago ©Hayakawa Publishing, Inc.