●スラヴ文学と環境
9月30日(木) 10:00~12:00
京王プラザホテル(新宿)南館4F「扇」
入場無料 開場30分前
■概要
ロシア・東欧のスラヴ語圏は、ヨーロッパの一部を成しながら、西欧とアジアの間にあって、独自の文学・文化を発展させてきた。環境に関しても、文明と自然を調和させようとする独自の世界観を持つ作家たちが多い。このセミナーでは、このようなスラヴ語圏の気鋭・中堅として活躍する作家・詩人たちに集まっていただき、ポスト共産主義時代を生きるスラヴ文学の現状と、その中で「環境」がどのように意識されているかを討議する。ここでは「環境」についてはできるだけ広い意味で考え、自然の環境だけに限定せず、文化・社会などの様々な環境を視野に入れ、21世紀のグローバル化時代に文学が生き延び、発展していくために、人聞のためにどのような環境が必要かを考えたい。
■パネリスト
ヴラジミル・ピシュタロ Vladimir Pistalo
1960年、サラエヴォ生まれ、セルピアの小説家。1993年にアメリカに移住する前からジャーナリストとして活躍、「ヴレメ」誌で旧ユーゴスラヴィアの崩壊をめぐって批判的な論評を行なった。現在、米国でアメリカ史/世界史を教えるかたわら、セルビア語で執
筆活動を続けている。これまで10冊の詩的散文や長編小説をセルビア語で刊行し、「仮面たちに固まれたテスラの肖像」は2008年度の最優秀長編小説として、セルビアで最も権威のあるNIN文学賞を受けた。「現実とは、よく濯いでやれば、夢を引き出すことのできる鉱脈である」というのが、彼の文学的信念である。
ミハイル・シーシキン MikhailShishkin
1961年モスクワ生まれ。ロシアの小説家。1995年以降はチューリッヒに住んでいる。1993年に作家としてデビュー、代表的長編に『皆を一つの夜が待つ』(1993)、『イズマイル攻略』(2000、ロシア・ブッカー賞)、『ビーナスの毛(ホウライシダ)』(2005、〈国民的ベストセラー〉賞、〈大きな本〉文学賞受賞)など。シーシキンの小説は、現代ロシア散文の最前線を切り拓くものとして高く評価され、現代ロシアで最も権威ある文学賞を次々に受賞し、シーシキンはいまや中堅世代の中でもっとも実力のあるロシア作家の一人と評価されている。
山崎佳代子 KayokoYamasaki
詩人、翻訳家、ベオグラード大学文学部教授。1980年代よりベオグラード在住。2003年ベオグラード大学で博士号取得。詩集「鳥のために」「薔薇、見知らぬ国」「産砂 RODINAj」「秘やかな朝」「アトス、しずかな旅人」(書肆山田)など。20世紀後半の世界文学を代表するセルビアのユダヤ系作家ダニロ・キシュの優れた紹介者としても知られる。『古事記』セルビア語訳の共訳者の一人。NATO軍にベオグラードが空爆されたときも、町に残り、詩を書き続けた。セルピア語と日本語の間を自由に行き来する跨境的詩人である。
■モデレーター
沼野充義MitzuyoshiNumano
1954年生まれ、文芸批評家、ロシア東欧文学研究者、ロシア・ポーランド文学翻訳家。日本ベンクラフ国際委員。2009年より日本ロシア文学会会長。著書に「徹夜の塊─亡命文学論」(作品社、サントリー学芸賞)、「徹夜の塊─ユートピア文学論」(作品社、読売文学賞)、「W文学の世紀へ─国境を越える日本語文学」(五柳書院)、訳書にレム「ソラリス」(国書刊行会)、シンボルスカ「終わりと始まり」(未知谷)、ナボコフ「賜物」(河出書房新社)、「新訳チェーホフ短篇集」(集英社)など。
*この他、ポーランドの作家にも参加を打診中。


