●莫言(Mo Yan)
◎莫言(出演未定) 朗読劇「牛」 9月24日19:30~21:10 大隈講堂
朗読=神田松鯉(講談師)、踊り=田中 泯
脚本・演出=吉岡忍、人形・画=戸井紅子・有園絵夢・絵瑠、中国琵琶=シャオロン
これ以上牛が増えたら、オレたちが食い詰めてしまう。窮状の村で、牛たちは次々に去勢された。14歳の少年と老人は炎天下、瀕死の仔牛を連れ、町までの辛い道をたどる。文革期中国の人々の疲弊と滑稽を描ききった異色作品。田中泯が仔牛の悲哀を踊る。
1955年生まれ。中華人民共和国の作家。本名は管謨業。1976年、人民解放軍入隊後に文学を学び、1985年に『透明な赤蕪』で作家デビュー。中国農村を幻想的かつ力強く描く現代中国文学を代表する作家。2006年 第17回福岡アジア文化賞大賞を受賞。2002年日本ペンクラブ主催世界ペンフォーラム「災害と文化」に参加。朗読劇『秋の水』上演。
『赤い高粱』『秋の水』『花束を抱く女』『蠅・前歯』 『酒国 特捜検事丁鈎児の冒険』『豊乳肥臀』『至福のとき』『白い犬とブランコ』『白檀の刑』『四十一炮』『転生夢現』など邦訳多数。
『紅いコーリャン』『至福のとき』『故郷の香り』は映画化され国際的に大きな反響を得た。
朗読劇「牛」
文化大革命さなかの小さな村は、牛の飼葉にも困るほど貧しかった。しかし、牛は国家の大事な生産財、勝手に始末するわけにもいかない。これ以上牛が増えないために、3頭の牛を去勢することにした。
〈ぼく〉は14歳の腕白坊主。牛たちと遊んできたぼくは、旧時代に郷愁を抱く老人と2人、タマタマを抜かれた3頭の牛の面倒を見ることになる。傷口からばい菌が入らないようにと、牛たちを座り込ませず、眠らせもしない仕事は大変だった。村のエラいさんたちは料理したタマタマを肴に酔っ払っている。そのいい匂いが空きっ腹にこたえる。
元気だった若い牛がだんだんに弱ってくる。ぼくと老人はその牛を町まで連れていき、獣医に診てもらうことになった。強い陽射しの下、2人の人間と1頭の牛のつらい旅が始まった。結末は美しく、残酷で、人工的社会と自然の動物とが織りなす黒いユーモアをたたえている。


