高行健──Gao Xingjian

◎基調講演 9月26日15:35~16:20 大隈講堂
カナダを代表する女性作家アトウッド、華人系作家として初めてノーベル文学賞を受賞した高行健。多文化主義へと雪崩を打つ現代世界のただなかで、果敢な創作活動を行なう2人が見据える地球環境と現実。文学は、そして、われわれはどこへ行くのか。同時通訳付き。

geoging.jpg1940年、江西省に生まれる。62年に北京外国語学院フランス語科を卒業し、中国国際書店に勤務。文化大革命中は安徽省の山村に下放した。75年に北京に戻り、『中国建設』雑誌社のフランス語部門主任となる。77年、中国作家協会対外連絡委員会に転属。西洋モダニズム文学の紹介と小説創作を開始した。81年、北京人民芸術劇院専属の劇作家となる。『非常信号』(82)、『バス停』(83)、『野人』(85)などの作品で実験的演劇の端緒を開くが、中国での賛否は分かれた。
87年に水墨画家として招聘されてドイツに渡り、翌年からパリに移る。「天安門事件」を背景とした劇作『逃亡』(90)、および長江流域を旅する男の見聞と思索を綴った長篇小説『霊山』(90)を発表。渡仏後の劇作に『生死界』(91)、『週末四重奏』(96)など。97年にフランス国籍を取得。長篇第二作『ある男の聖書』(99)は自伝的小説で、中国で暮らした過去と海外を流浪する現在を重ね合わせて描く。これらの仕事が評価され、中国語で創作する作家として初めて2000年にノーベル文学賞を受賞した。

マーガレット・アトウッド──Margaret Atwood


◎基調講演 9月26日 16:20~17:10 大隈講堂
カナダを代表する女性作家アトウッド、華人系作家として初めてノーベル文学賞を受賞した高行健。多文化主義へと雪崩を打つ現代世界のただなかで、果敢な創作活動を行なう2人が見据える地球環境と現実。文学は、そして、われわれはどこへ行くのか。同時通訳付き。

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◎共催プログラム 9月29日(カナダ大使館)
14:00~15:00 阿刀田高・日本ペンクラブ会長との対談
15:15~17:00 朗読劇「洪水の年」(アトウッドも出演)

※共催プログラムに ご参加ご希望の方は、「9月29日アトウッド特別イベント参加希望」と件名をお書きになり、氏名(フリガナ)、職業、住所、電話番号、メールアドレスを記載の上、カナダ大使館にメールまたはFAXでお申込みください。

メールアドレス:tokyo.culture@international.gc.ca
FAX番号:03-5412-6249
締切は9月24日(金)です。

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Atwood.jpgカナダの小説家、詩人、児童書作家、劇作家、批評家。トロント大学、ハーバード大学大学院で英文学を学んだ後、ブリティッシュ・コロンビア大学等で教鞭をとる。学生時代ノースロップ・フライの影響を受け、神話と原型への回帰はその後の創作に影響を及ぼしている。詩集『サークル・ゲーム』(1966)でカナダ総督文学賞を受賞。69年には鋭い社会風刺を含んだ最初の小説『食べられる女』を出版。以後、繊細な言語感覚と鋭い問題意識で多くの長編小説、短篇集、児童書、評論、詩集等を発表している。「1970年代後半から始まったカナダ文学の開花はアトウッドによってもたらされた」とも言われている。小説作法は多様で、膨大な古典の知識をもとに、選びぬかれた言葉と多重構造の魅力なストーリーテリングで読者を惹きつける。ブッカー賞をはじめ、多くの文学賞を受賞。
 アトウッドの活動は創作だけではない。カナダ作家組合会長、カナダペン会長を歴任。人権問題、環境問題についても活発に政治的提言、講演を行っている。(佐藤アヤ子記)

──朗読劇「洪水の年」
マーガレット・アトウッド作 小説The Year of the Flood(『洪水の年』)のためのDramatic Reading
 この作品は、2009年9月出版のマーガレット・アトウッドの小説The Year of the Flood(『洪水の年』)のプロモーションのためのドラマティック・リーディングである。
 
──梗概
時代は進み、種も異常な早さで変化している。今や社会の協定は実質のないものと化し、生物体を取り巻く自然環境も不安定な状態となっている。そのような未来世界で、科学と宗教を組み合わせた教義を崇めつつ動植物の生命保護に献身する宗教団体「神のガーデナー(庭師)たち」の教祖Adam Oneは、地球を破壊するような大天災が起きる、と長い間予言してきた。ついにその天災が生じ、ほとんどの人間たちが跡形もなく消え去ってしまった。生き残ったのは二人の女性、高級セックスクラブの部屋にいた若きダンサーのRenと贅沢なスパに身を隠していた「神のガーデナー(庭師)たち」の信徒Tobyである。他に生き残ったものは・・・。
本作品のなかで、アトウッドは面白可笑しく彼らの宗教を利用している。皮肉たっぷりに誇張され賛美歌は、歌詞はエコロジカルで曲は教会的。レンもトビーも非宗教的理由から入信したことがわかってくる。しかし、信者ガーデナーたちの優しさと仁愛の精神はユーモラスでもあり、希望でもある。彼らの教義は馬鹿ばかしいけれど、企業が優先する露骨な物質偏重よりまし、とアトウッドは提示しているようである。
(佐藤アヤ子記)

写真=George Whiteside

サラ・パレツキー──Sara Paretsky


◎朗読劇とスピーチ「沈黙の時代の作家」 9月23日16:00~17:30 大隈講堂
人を、人種や性別という〈檻〉に囲い込む社会制度への反抗が米国の人気ミステリー作家を育て上げた。初めて語る生い立ちと、9.11以降の米国社会への違和感、そして、孤立を乗り越える人々への静かな共感。
朗読=山根基世(ことばの杜 元NHKアナウンス室長)、脚本・演出=吉岡忍、画・ライブドローイング=茂本ヒデキチ、作曲=森ミドリ、パーカッション=定成誠一郎・淡紅子

Paletzky.jpgサラ・パレツキーは1947年アイオワ州エームズに生まれ、カンザス州コー・ヴァレーで育った。カンザス大学を卒業後、シカゴ大学で政治学の博士号を取得し、以来シカゴに住む。1982年に『サマータイム・ブルース』で作家デビュー。ハードボイルド小説の主人公に、自立した女性私立探偵V・I・ウォーショースキーを起用して、注目を集め、高く評価された。1988年に『ダウンタウン・シスター』で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。2002年には同賞のダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、さらに2003年の『ブラック・リスト』で同ゴールド・ダガー賞も受賞した。V・I・ウォーショースキー・シリーズは、1991年に第2作『レイクサイド・ストーリー』を基にしたオリジナル脚本で「私がウォシャウスキー」(キャスリーン・ターナー主演)として映画化されている。また、著作活動以外にも女性作家地位向上のための団体〈シスターズ・イン・クライム〉の創設に関わり、初代会長を務めた。
日本では〈ヴィク・ファン・クラブ〉が結成されるほどの人気で、キャスターの小宮悦子氏やエッセイストの温水ゆかり氏などがファンとして知られている。1994年には早川書房の招きで来日した。
 
サラ・パレツキー著作リスト
〈V・I・ウォーショースキー・シリーズ〉
1『サマータイム・ブルース』Indemnity Only(1982) 2『レイクサイド・ストーリー』Deadlock(1984)  3『センチメンタル・シカゴ』Killing Orders(1985)  4『レディ・ハートブレイク』Bitter Medicine(1987)  5『ダウンタウン・シスター』 Blood Shot (1988)  6『バーニング・シーズン』 Burn Marks (1990)  7『ガーディアン・エンジェル』 Guardian Angel (1992)  8『バースデイ・ブルー』 Tunnel Vision (1994)  9『ハード・タイム』 Hard Time (1999)  10『ビター・メモリー』 Total Recall (2001)  11『ブラック・リスト』  Blacklist(2003)  12『ウィンディ・ストリート』 Fire Sale(2005)  13 Hardball(2009) 早川書房より2010年9月刊行 14 Body Work(2010)
〈単発作品〉
『ゴースト・カントリー』Ghost Country(1998) 『ブラッディ・カンザス』Bleeding Kansas(2008)
〈短篇集〉
『ヴィク・ストーリーズ』 Sara Paretsky's Short Story Collection(1994)
ウォーショースキーものを集めた日本独自編纂の短篇集。
〈エッセイ〉
『沈黙の時代の作家』Writing in An Age of Silence(2007)早川書房より2010年9月刊行
*パレツキー作品の邦訳はすべて早川書房刊、山本やよい訳

『沈黙の時代の作家』──Writing in An Age of Silence
2007年に発表されたサラ・パレツキーのエッセイ。現代社会の諸問題と対峙しつづける作家が、自身の半生や信条を明かす。第一章「手に負えない女たち」では、厳格な両親と4人の兄弟とともに育った幼少時代、第二章「キングとわたし」では、彼女の作家活動に大きな影響を及ぼした、1966年のマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの公民権運動、第三章「天使ではない、怪物でもない、ただの人間」では、フェミニズム運動とV・I・ウォーショースキー誕生秘話、第四章「iPodとサム・スペード」では、社会を犠牲にして個人を美化するアメリカ社会について痛烈な批判を加えている。また、今秋早川書房より刊行の翻訳版では、日本向けに新たに書き下ろした、オバマ政権誕生後のアメリカに関する一章が追加される。

写真(禁転載) ©Tom Maday, Chicago ©Hayakawa Publishing, Inc.


チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ──Chimamanda Ngozi Adichie

◎朗読劇とスピーチ「なにかが首のまわりに」 9月24日18:00~19:10 大隈講堂

ナイジェリアから米国へ移り住んだ若い女性が感じる驚きと違和感と寂しさ。異文化同士の個人が理解し合うとはどういうことか。数々の文学賞を受賞し、いまもっとも注目される若手作家が〈アメリカの現実〉と〈アフリカの現在〉を繊細に捉えた意欲作。
朗読=松たか子(俳優)、脚本=くぼたのぞみ、彫刻・CG=中村圭、四位雅文、作曲・チェレスタ・ピアノ=森ミドリ

addiche.jpg1977年、ナイジェリア南部のエヌグで生まれ、大学町スッカで育つ。イボ民族の出身。ナイジェリア大学で短期間、医学と薬学を学び、19歳で奨学金をえて渡米。ドレクセル大学、東コネティカット大学でコミュニケーション学と政治学を学ぶ傍ら、次々と作品を発表する。ストーリーテラーとしての天賦の才に恵まれ、抜群の知性としなやかな感性で紡ぎだされる物語は、繊細で心にしみると好評を博す。2003年にO・ヘンリー賞、PEN/デイヴィッド・T・K・ウォン短編賞を受賞。その後も数々の賞にノミネートされ、05年コモンウェルス賞を受賞した初長編『パープル・ハイビスカス』につづき、ビアフラ戦争をテーマとした長編『半分のぼった黄色い太陽』では07年オレンジ賞を最年少で受賞。「ランドマークとなる小説」と絶賛の嵐をまきおこす。08年はマッカーサー基金フェローシップを授与され、イェール大学でアフリカ学を修め、現在はナイジェリアと米国を往復しながら次作の構想を練っている

「なにかが首のまわりに」The Thing Around Your Neck(既訳邦題「アメリカにいる、きみ」)

ナイジェリアの少女「きみ」は運良く米国のヴィザを手に入れて、メイン州に住むおじさんを訪ねる。カレッジへも通わせてもらったが、学友から「アメリカに来るまで車を見たことはある? 編んだ髪をほどくとまっすぐ立つの?」などと質問ぜめにされ、多くの無知と偏見に直面する。しかもおじさんのセクハラにあってその家を飛び出し、別の州のレストランでウェイトレスとして働くことになる。やがてお客の学生と恋が芽生えるが、彼が菜食主義で肉は食べないと言うとき、きみは故郷では小指の先ほどしか食べられない貴重な肉片を思う。彼が人工調味料には発ガン性があると言うとき、母親が香辛料は高すぎると、グルタミン酸ソーダ入りキューブを使っていたことを思う。でも彼のおかげで、故郷を離れて以来、夜になるときみの首に巻きついて眠りを妨げていたなにかが、だんだん消えていきそうな気がしてきて──アメリカに渡ったナイジェリアの少女のふかい悲しみを、切なく、細やかなタッチで描いた短篇。
 
付記:本作品は、日本オリジナル編集の短篇集『アメリカにいる、きみ』(河出書房新社、2007年)所収の表題作だが、2009年に著者による自選短篇集が刊行されたとき、作品タイトルが雑誌発表時の「You in America」から「The Thing Around Your Neck」と改められた。内容も多少手直しされているため、今回は自選短篇集に収録された最新バージョンを改訳する。

写真=© Okey Adichie

サルワ・アル・ネイミ──Salwa Al Neimi

◎朗読劇とスピーチ「蜜の証拠」 9月25日14:00~15:30 大隈講堂

私はポルノ学者? アラブ性愛文学の古典と現実の男女関係が密通し、ひとつとなる。イスラム女性の隠された性を大胆に描いてセンセーションを巻き起こした作品。そこには肥大した観念世界に対する身体と自然からの痛烈な批判が込められている。
朗読=吉行和子(俳優)、脚本・演出=吉岡忍、画・CG=スズキコージ・四位雅文、ネイティブフルート=真砂秀朗

salwa al neimi.jpg1950年代末、シリアの首都ダマスカス生まれ。若くしてパリに移住。 ソルボンヌ大学でアラブ文学と演劇を学ぶ。大学卒業後、パリにあるアラブ世界文化研究所に勤務するかたわら詩人、ジャーナリストとして活動。
2003年詩集『わたしの先祖、殺人者たち』(フランス語題題:Mes anc?tres, les assassins, Paris-M?diterran?e出版)を、自身のフランス語訳で上梓。
2007年、初めての小説『蜜の証拠』(フランス語題:La Preuve par le miel)をベイルートの出版社から刊行。この"アラブ女性によるエロティック小説"は、 アラビア語圏で衝撃をもって迎えられ大きな成功を得る一方、大多数のアラビア諸国で発禁本に指定される。 しかしながら本書は、密かに受け渡しされ、あるいはインターネットでダウンロードされて読まれ続けているという。
アラビア語以外では世界18カ国語に翻訳出版され、フランスとイタリアではベストセラーとなっている。

蜜の証拠 La Preuve par le miel
アラビア女性による性愛をテーマにした小説。大学図書館で働いていた語り手の女性は、ある日アラビア語の古典性愛文学の長大なリストを目にする。 興味津々で読破してゆくうちに、研究対象として発表する機会が与えられそうになると同時に、彼女自身の性生活もドラマティックに変化し始める。 「一の扉」から「十一の扉」で構成される本書のそれぞれの扉の向こうに広がるのは、性愛をめぐる実にさまざまな物語と思想である。 古典から引用される預言者の知見や性の達人たちのエピソード、語り手自身の幼い日の思い出、現代チュニスの「蒸し風呂(ルビ:ハマム)のマッサージ師や女友達の打ち明け話......。物語の舞台はパリの大学都市、図書館、地下鉄やカフェ、そしてもちろん、パートナーとのベッドの中にまで及ぶ。 語り手の女性が無条件で礼賛する性愛や肉体の豊穣な快楽が、そのまま知の快楽、言葉の快楽に見事に通じてゆく、世界文学の最高傑作である。

マリーナ・レヴィツカ──Marina Lewycka

◎朗読劇とスピーチ「おっぱいとトラクター」 9月25日16:15~17:45 大隈講堂
朗読=片岡一郎(活動写真弁士)
脚本=青木純子、画・CG=里中満智子・四位雅文、ピアノ=柳下美恵
朗読に引き続き、作家本人によるスピーチがあります。

Lewycka Marina credit Ian Phillpott 1 (1).jpgウクライナ移民2世。自身の生い立ちをベースにした作風が独特の文学性、ヒューマニズム、ユーモアを持ち、ヨーロッパで高い評価を得ている。
1946年、ドイツ・キールの難民キャンプで生まれる。両親はウクライナ出身。彼女が1歳のとき、一家でイギリスに移住。受け入れ施設に滞在後、サセックス州で高齢の夫人の世話をする仕事を見つけ、一家で住み込みながら、母親が夫人の世話を、マリーナはあひるの世話をして日々を送る。この時期に、老婦人から英語を教えられる。1949年、一家はドンカスターに近い小さな炭鉱の町に自宅を構えて、父はトラクター会社に勤務する。マリーナは4歳から詩を、小学校の低学年でストーリーを書き始める。
1954年、一家はドンカスターへ移る。現地の学校では移民であることが原因でいじめにあうが気にせず、ベッドで冒険小説を読むことが日々の楽しみだった。高校時代に洗練された文学を読み始める。その後、キール大学で英語と哲学を学び、多くの文学作品に触れる。好きな作家は、形而上派の詩人、チョーサーの他シェークスピア、イエーツ、ジェイムズ・ジョイス。その後ヨーク大学で修士号を取得。
現在、シェフィールド・ハラム大学で教鞭をとっている。高齢介護関連の著作が6冊ある。2005年、58才で小説家としてデビュー。自伝的要素の多い処女作『おっぱいとトラクター』は、英語圏で100万部超のベストセラーとなり、35カ国語に翻訳されている。同作はブッカー賞の候補となり、イギリスのコメディ賞Bollinger Everyman Wodehouse Prizeを女性では初めて受賞。『エリザベス』のプロデューサー、アリソン・オーウェンにより映画化の企画もスタートしている。2007年にはイチゴ農場で働く移民たちを主人公にした2作目Two Caravansを発表(米国とカナダではStrawberry fieldsというタイトルで刊行)。
2009年7月に発表した風変わりな老女と中年女性が主人公のWe Are All Made of Glueは、レヴィツカ特有のユーモアたっぷりのストーリーながら、民族の対立や老いなど、重いテーマを扱っている。作家としては不遇の時代が長かったマリーナは、成功した今でも客観的な視点を失わずにいる。遅い作家デビューながら、精力的な執筆活動を続けている。

おっぱいとトラクター A Short History of Tractors in Ukrainian
イギリスに暮らすウクライナ移民のニコライは84歳。2年前に妻を亡くして以来ひとりでくらしていたが、ある日、ウクライナから来たヴァレンチナ(36歳)と再婚すると言い出したから、娘のナジェージダ(47歳)とヴェーラ(57歳)はびっくり仰天。母親の遺産をめぐって対立していた姉妹だが、慌てて一時休戦。
財産目当てに違いない若い女性から父親を守るべくタッグを組み、ヴァレンティナの追い出し作戦をスタートする。豊満なおっぱいに露出度大のセクシーな服でニコライに迫るヴァレンチナVSそれぞれ違う時代に育ち・違う人生観を抱えながらもイギリスで生活を築いてきた姉妹。全く価値観の違う3人の闘いは日に日にエスカレートする。姉妹の心配をよそに老父ニコライは、ヴァレンチナにメロメロで、なんだかんだとお金を搾り取られ始めるが...。
イギリスで女性として初めてコメディ賞を受賞、ブッカー賞候補にもなった、哀歓いっぱいの傑作小説。

写真=Ian Phillpott


国際環境文学者会議「環境と文学 -いま、何を書くか」

──入場無料(どなたでも聴講できます)

【プログラム】
Ⅰ 基調講演
  バンダナ・シバ(インドの科学者、環境活動家)
        オメロ・アディリス(国際ペン名誉会長・メキシコの詩人・環境活動家)
9月29日(水) 午後3時半~午後5時半 京王プラザホテル(新宿) エミネンスホール

Ⅱ 海外ペン代表による意見発表会
  各国ペンセンター代表(約10センターが参加予定)
9月30日 午前10時~午前12時 京王プラザホテル(新宿)冨士の間

Ⅲ 記念講演・ラウンドテーブル「言語の多様性と平和」 全体会
9月30日 午後1時半~午後5時 京王プラザホテル(新宿) エミネンスホール
──第一部 午後1時半~午後3時
記念講演 ジョン・ラルストン・サウル(作家。国際ペン会長)
       浅田次郎(作家。日本ペンクラブ専務理事)
──第二部 午後3時半~午後5時半
ラウンド・テーブル「言語の多様性と平和 -スペインの経験から」
   スペイン・カタラン・バスク・ガリシアペンセンター代表
意見交換と集約
 締めくくりの言葉 ホメロ・アディリス

共同議長 ホメロ・アディリス・堀武昭(国際ペン理事、日本ペンクラブ常務理事)

【基調講演・海外ゲスト】
バンダナ・シバ(Vandana Shiva)

 物理学者、環境科学者、平和運動家。環境問題、女性解放問題、ジェンダー、グローバル化に関し、メッセージを発信し続ける女性思想家。1993年、ライト・ライブリーフッド賞受賞。「科学・技術・環境科学のための研究基金」理事。
『緑の革命とその暴力』(浜谷喜美子・訳、日本経済評論社)、『生きる歓び――イデオロギーとしての近代科学批判』(熊崎實・訳、築地書館)など多数の著書がある。


セミナー「子ども・環境・文学―そして未来へ」 子どもの本委員会

→セミナーのちらし(pdfファイル)がダウンロードできます(1.0MB)

[概要]
子どもにとって「環境」とは自然環境のみならず、家庭、学校などの日常生活も、大人示す成長の指標も含まれます。なぜなら、子どもは大人が用意した環境によって育てられる存在だからです。
子どもの本は読者に、彼らを取り巻く環境を時にリアルに示し、時に異空間でのひとときの楽しみを提供してきました。
そこでこのシンポでは、子どもの日常感覚に即した作品でティーンに熱い支持を受けるジャクリーン・ウイルソンさん、韓国の文化を飾ることなく淡々と描く絵本作家のイ・オクベさん、独創的な異空間を構築することで物事の本質にダイレクトに迫っていく上橋菜穂子さん。三者三様のアプローチをしている作家をパネラーとしてお招きし、「子どもの環境」像を語り合っていただこうと思います。
彼らは、子どもの環境をどう考えどう描こうとしているのか?
司会は、「児童文学書評」主宰者であり、絵本からヤングアダルトまで、内外の子どもの本に詳しい、作家のひこ・田中さんです。

JacquelineWilson.jpg<パネリスト>
ジャクリーン・ウィルソン(Jacqueline Wilson)
イギリスで最も人気のある児童文学作家。著作は34ヶ言語に翻訳され、売り上げは合計で3千万部。逆境に置かれた子どもを主人公に、繊細でありながらユーモラスな作品を書くことで広く知られている。困難な状況を描きながらも、読者には必ず希望を与えるのが特徴。『おとぎばなしはだいきらい』や、ガーディアン賞を受けた『タトゥーママ』などテレビ化、舞台化されて好評を博している作品も多い。2005年から2007年には英国の児童文学界を代表する「チルドレンズ・ローリエト」を勤め、文学に対する貢献のため大英帝国勲章OBEとDBEの勲章も授与されている。現在はローハンプトン大学の客員教授として児童文学の講義も行っている。

UkBaeLee.jpgイ・オクベ(Uk-Bae Lee)
1960年生まれ。弘益大学校美術大学彫像科卒業。労働者美術・民衆美術運動から絵本制作に入った韓国の民主化運動の世代を代表する作家の一人。邦訳されている絵本に、『ソリちゃんのチュソク』(セーラー出版)、『蚊とうし』(アートン新社)、『せかいいちつよいおんどり』(新世研)がある。1997年に、『せかいいちつよいおんどり』で韓国人作家として初めてBIBC(ブラティスラバ国際イラストレーションビエンナーレ)に選ばれた。近年は労働者問題とともに環境問題にも強い関心を寄せており、非武装地帯に思いがけず保全された自然環境を描いた作品も間もなく刊行される予定。

Uehashi.jpg上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年生まれ。立教大学文学部卒業。同大学院博士課程単位取得満期退学。川村学園女子大学児童教育学科教授。作家/文化人類学者(オーストラリアの先住民アボリジニを研究)
1989年、『精霊の木』で作家としてデビュー。『月の森に、カミよ眠れ』(1991年)で日本児童文学者協会新人賞を受賞。『精霊の守り人』(1996年)で、野間児童文芸新人賞・産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。翻訳版『MORIBITO:Guardian of the spirit』は全米図書館協会よりミルドレッド・L・バチェルダー賞を受賞。『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、〈守り人シリーズ〉で第25回巌谷小波文芸賞、第23回路傍の石文学賞、『神の守り人』で小学館児童出版文化賞、『狐笛のかなた』で野間児童文芸賞受賞、産経児童出版文化賞推薦などを受賞。
『精霊の守り人』をはじめとする「守り人シリーズ」はアメリカ合衆国、イタリア、ブラジル、台湾で、『獣の奏者』はフランス、ドイツ、スウェーデン、タイ、台湾、韓国で翻訳出版されている。また、『精霊の守り人』も『獣の奏者』もアニメ化され、共にNHKで放送された。
日本文化人類学会、日本文芸家協会、日本児童文学者協会会員。文学博士。

hicoT.jpgひこ・田中(ひこ・たなか)
1953年生まれ。同志社大学文学部卒業。1990年『お引越し』で第1回椋鳩十児童文学賞受賞。同作が相米慎二監督により映画化される。『ごめん』で第44回産経児童出版文化賞JR賞受賞。冨樫森の手で映画化される。著書に『カレンダー』『大人のための児童文学講座』。共著『トゥインクル』、『十二歳からの読書案内』、『子どもの本ハンドブック』、『子ども・大人』他。「児童文学書評」主宰 http://www.hico.jp/

◎「子ども・環境・文学―そして未来へ」 9月23日18:00~20:00 大隈小講堂

セミナー「文学にみる環境正義と現代的意義」

[概要]
〈環境正義〉は、自然の生態系を守ることと社会的正義の同時追及の必要性を示す概念として今日注目されている。この環境正義の概念を文化・文学に検証し、グローバリゼーションの進展と共に、地球環境への脅威が増す今日において、現代の作家たちが環境問題とどのように対峙し、作品の中でどう扱っているかを討論する。
環境正義の概念は、1980年代に多民族国家であるアメリカの社会的背景をもとに生れた考え方で、環境的人種差別主義への批判運動として展開した環境正義運動に端を発している。その後の地球環境問題への関心の高まりに伴い、自然はもちろん、人類をも破壊しかねない問題を扱った文学作品が昨今多く創作されている。
このセミナーでは、「世界希少鳥類保護団体」の創設者のひとりで、人間と鳥との関係の著作があるギブソン氏と、地球破壊が進む中、母なる大地と海洋との共生の大切さを説く先住民作家のラポガン氏、モリス氏に「文学にみる環境正義と現代的意義」を語ってもらう。(佐藤アヤ子記)

<パネリスト>
グレアム・ギブソン(Graeme Gibson)

1934生まれ。カナダの小説家、批評家。ウエスタン・オンタリオ大学で学ぶ。1970年代初期からカナダの文化形成に多くの影響を与えてきた。カナダ作家組合を立ち上げ、その後カナダペン会長を歴任。1969年に初めての小説Five Legsを出版。73年にはM.ローレンス、M.アトウッド、A.マンローなど現代のカナダ文学界を形成してきた作家たちをインタビューしたEleven Canadian Novelistsを出版。本書はインタビュー本の古典となっている。
バードウオッチャーで、環境問題に活発な運動を行っている氏はThe Bedside Book of Birds(2005)で、「鳥に関する雑録」として人間と鳥との尊い関係を古今東西の作品から示している。The Bedside Book of Birds の続編でもある「獣に関する雑録」The Bedside Book of Beasts(2009)では、捕食するものとその餌食となるものの複雑な関係が時を通じて地球上の動物の生活を定義してきたという論拠を文献から示唆している。多作家ではないが、伴侶のM.アトウッドと共に、現代のカナダ文学界を支えている作家である。(佐藤アヤ子記)

シャマン・ラポガン(Shaman Rapongan)
1957 年、蘭嶼島(台東県蘭嶼郷)紅頭村生まれ。漢名は施努来。1973 年に蘭嶼国民中学を卒業、台東高級中学に進学するために蘭嶼を離れた。高級中学卒業後は、原住民族子弟枠での大学推薦入学を辞退し、1980 年に淡江大学フランス語科に入学した。とびうお漁で生活するタオ(ヤミ)族という原住民の出身。中国語で創作するが、台湾本島での暮らしのなかで、タオ族としてのアイデンティテーを模索し、現在は、故郷に戻り、タオ語の保存にも取り組む。
代表作
『冷海情深』『黒色的翅膀』(邦訳「黒い胸びれ」、草風館)『海浪的記憶』など

シェリー・モーリス(Shellie Morris)
1965年生まれ。オーストラリアのアボリジニのシンガーソング・ライター。ノーザン・テリトリー(北部準州)のカカドゥに生まれる。カカドゥはアボリジニの聖地。太古の昔に描かれたアボリジニの壁画が多く残されている。誕生後、シェリーはシドニーの白人家庭の養女となる。少女時代は音楽に没頭し、フルートやピアノやオルガンを勉強。聖歌隊で歌い、10代の終わりにはオペラの訓練も受けた。しかし、1997年にノーザン・テリトリーの州都ダーウィンに移り住むことを決意。それは自分のルーツを知ることと、本当の家族と会うためであった。
「昔のように、音楽を通して物語を伝える」というシェリーのバラッドは、魂のこもった不思議な感覚を聴衆に与え、先住民社会の出来事をこえて、世界中に多くのことを語りかけてくれる。
2010年2月には、バンクーバーで開催された冬季オリンピック行事で、"Swept Away"を歌う。現在3枚目のアルバムを準備中。(佐藤アヤ子文責)

司会 茅野裕城子・佐藤アヤ子

◎「文学にみる環境正義と現代的意義」 9月24日13:00~15:00 小野梓記念講堂

セミナー「マンガとアニメは環境をどう描いてきたか?
──現代マンガのパイオニア・手塚治虫の作品から」 子どもの本委員会

→セミナーのちらし(pdfファイル)がダウンロードできます(0.9MB)

【趣旨】
いまや世界中で人気の日本のマンガやアニメは、さまざまな社会的な問題にも多様にアプローチしてきました。環境をテーマにしたマンガもたくさんありますが、アニメ作品でも、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」、第81回アカデミー賞短編アニメーション賞受賞で話題になった「つみきのいえ」(加藤久仁生監督)など、これまでたくさん作られてきました。
このフォーラムでは、現代マンガの先駆者でもあり、日本のテレビアニメの創始者でもある手塚治虫が、環境をテーマにして何をどのように表現してきたかを、彼が残したマンガやアニメ作品を通して検証します。
ゲストは、アメリカ在住のマンガ研究家フレデリック・ショットさん、マンガ家の里中満智子さん、手塚プロ社長で日本動画協会理事長の松谷孝征さん。
はじめに手塚治虫の短編アニメ作品「森の伝説」を上映し、環境をテーマにしたマンガ作品を紹介しながら、3人の方々に手塚が次世代に伝えたかったものは何かを語っていただきます。

FLSchodt.jpgフレデリック・L・ショット(Frederik L. Schodt) 
1950年アメリカ生まれ。父親が外交官をしていた丈高校生の頃に来日し、国際基督教大学に留学し、日本のマンガに関心を持つ。手塚治虫「鉄腕アトム」「火の鳥」、中沢啓治「はだしのゲン」、池田理代子「ベルサイユのバラ」などの多くのマンガ作品を英語に翻訳。著書に「ニッポンマンガ論」など。1983年、日本漫画家協会のマンガ・オスカー賞を受賞。2000年には、日本マンガの海外紹介の功績により、手塚治虫文化賞特別賞、2009年には旭日小綬章を受章。現在、サンフランシスコに在住。

satonaka.jpg里中満智子(さとなかまちこ)
マンガ家。1948年1月大阪生まれ。1964年(高校2年生)に「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞、デビュー。代表作に「あした輝く」「アリエスの乙女たち」「海のオーロラ」「あすなろ坂」「狩人の星座」「天上の虹」など多数。2006年に全作品及び文化活動に対し日本漫画協会賞文部科学大臣賞受賞。社)日本漫画家協会常務理事/マンガジャパン事務局長/大阪芸術大学キャラクター造形学科教授等

matsutani.jpg松谷孝征(まつたにたかゆき)
1944年横浜生まれ。実業之日本社にて雑誌漫画編集者として手塚治虫の担当編集者を経験後、73年手塚治虫のマネージャーとして、㈱手塚プロダクションへ入社。85年4月同社代表取締役社長になり、現在に至る。日本動画協会理事長。カラー版「鉄腕アトム」、「ブラック・ジャック」等数多くのTVシリーズや「火の鳥」「ジャングル大帝」等、手塚治虫原作の劇場版アニメーション映画のプロデューサー。

MoriEto.jpg司会:森絵都(もりえと)
1968年東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1990年『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデピュー。
2006年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞。他に『宇宙のみなしご』『流れ星におねがい』『アーモンド入りチョコレートのワルツ』『つきのふね』『カラフル』『DIVE!!』『永遠の出口』『いつかパラソルの下で』『ぼくだけのこと』『ラン』『架空の球を追う』『君と一緒に生きよう』等

◎「マンガとアニメは環境をどう描いてきたか」 9月26日10:00~12:00 小野梓記念講堂

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