2024年2月6日、国際PENは、2019年から中華人民共和国で拘束されているオーストラリアの作家、楊恒均(Yang Henjun)氏が、拘束から5年後に執行猶予付き死刑判決を下されたことに対し、日本を含む各国ペンセンターと共に抗議しました。
2月5日、中国の裁判所は、楊恒均氏に執行猶予付きの死刑が言い渡されたと発表しました。
楊恒均氏は、2019年1月以来、国家安全保障の罪で拘束。裁判は2年半以上前の2021年5月27日に閉ざされた状態の中で行われ、代理人とともに公正な裁判を受ける権利と司法の透明性の原則に関し、重大な懸念が生じています。さらに裁判所の判断は繰り返し延期され、楊恒均氏の受けた不公平さをさらに悪化させました。
国際ペンの獄中作家・人権委員長マ・ティダ氏は、「この判決は欠陥のある不透明な司法プロセスによって作家の基本的人権が奪われた結果であり、私たちは楊恒均氏と連帯し、中国政府に表現の自由への攻撃を終わらせるよう求める」と述べています。
オーストラリアの外交担当大臣ペニー・ウォンが発表した声明によれば、死刑は2年間の「善行」の後に終身刑に減刑される可能性があるそうです。しかし、楊恒均氏は腎臓に疾患があり、拘束中に充分な治療を受けられているかどうか不安があります。
私たちは、裁判にまつわる深刻な手続き上の問題と、根拠のない告発を考慮し、中国政府に対し楊恒均氏の有罪判決の取り消しと、即時かつ無条件での釈放を求めます。オーストラリア政府に対しても、楊恒均氏の釈放に向けてより強く請願するよう呼びかけます。
2024年2月9日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 桐野夏生
国際ペンの記事と各国センターの共同署名
オーストラリア外交担当大臣の声明